≫はりぽた井戸端会議2−1

☆まずはメンバーのご挨拶から(笑点なのか?)


「お久しぶりです。Tさん、家で映画談義をして以来ですね」
「二日前だけどね」

「…さあて、今日は「いちラキ」の発売日ですよ! 相変わらず「愛しのシェリー」はやってくれますな」
「あまりにも予想通りだったね」

「どうしてあの漫画は予想から全く外れないことがこんなにも嬉しいんでしょうねえ」
「冬水社の漫画は総じてその傾向にあるよ」

「相変わらず素晴らしい出版社だ……ああっ。「スクリーン」が出てる!」
「何?」

「ごめん。ちょっと映画雑誌を立ち読みさせてください。どれを買うか判断しないと」
「ああ、私は花ゆめでも読んでるから」



★マルフォイさん家の家庭の事情


「で、結局買ったのね」
「食費削って映画代を捻出している現在、痛い出費です」

「いい情報でもあった〜?」
「情報的には「ロードショー」の方が欲しかったんですが、写真がね、欲しくて。ノクターン横町、ダイアゴン横町、それにドラコとルシウスさんの2ショットです」

「最近はルシウスさんブームか」
「あ、思ったんですけど、ドラコよりルシウスさんの方が髪の色薄いですね。ラッキー」

「母方が金色強めなんじゃない? …ラッキー?」
「いや、わたしルシウスさん銀髪希望なので。原作だとプラチナ・ブロンドなんですけど。それはそうとして、ジェーソン・アイザックスのインタビューは貴重でしたよ」

「いや…それ誰よ?」
「ルシウスさん役の人。なんかね〜書いてあるの。ルシウスは子供に愛情を注がない父親だって。マルフォイ家は代々冷酷で残忍だって。……その二行でどんなに多くの話が開けることでしょう」

「ははぁ。あの家庭冷たいのね。まぁ、映画見ててもそうだったよね。クィディッチシーンでドラコが吹っ飛んだときの父親の顔! 子供を見る表情じゃないよ」
「ですねえ。あの人親バカではありえないわ。むしろ冷たい」

「すると、奥さんとはどうなんだろう?」
「それなんですよね〜。前言ったけど、クィディッチ観戦シーンであの二人ドラコを挟んで座るんですよ。隣に座らないの」

「というか、奥さんの名前出てくるの?」
「ナルシッサさん」

「ふうん。仲がいいとかは…」
「全然わかりません。でもあれですね、そもそも上流階級ってあんまりべたべたした夫婦関係じゃないでしょ」

「まぁ、そうだね」
「あの人達って同じ寝室だと思いますか?」

「外国は普通夫婦はそうじゃないの?」
「でもお屋敷ですよ〜? むしろ彼らは部屋を共有することが出来る人々なのか」

「ああ、それはあるかもね〜。冷めてる夫婦?」
「かもしれない。あんまり愛って感じはしないね。てか、ドラコは一人っ子?」

「この調子で行くとね。そもそもルシウスさんはあんまり女に興味がないっぽいと思うんだけど。そこらへんどうだったのかな?」
「いや、もてたと思いますよ。あの顔だし」

「もてても女性関係がどうだったかは別かと。まあ、女は面倒ってタイプにも見えるけど」
「権力欲って女性関係に結びついてませんでしたっけ?」

「浮気は別に構わないかな。肉体関係が他にあっても、別に問題ないでしょ」
「まぁ、そう思いますよ(ここでアールシとか絶対に言えねえ…)。観劇とか、そういう社交の場に夫婦で出てれば問題ないわけだし」

「てゆーか、我々いま物凄く下世話な話してない(笑)?」
「あははははは。方向変えましょうか?」

「えーと、なんか夫婦二人とも冷めてそうだね」
「あーあとあの話があった。ドラコがね、ルシウスさんは大陸の闇魔法の学校に入れたかったんだけど、母親が遠すぎるっつって止めてる」

「てことは会話のある家族なわけね。それに母親の意見が通らないわけじゃない」
「ですね。まぁ、それなりに仲は悪くないとは思ってますが」

「むしろ、ナルシッサさんの方が発言力強いと面白いよね。政略結婚で、向こうの方が名家とか」
「何ィ!? そんな面白い案が!?」

「やる?」
「いや無理です。………けどあれだなあ。速攻マルフォイ家の家庭環境組み直さないとなあ。あのさあ、ドラコって、家庭でわりと押さえつけられてるから、外ではあんなに他に対して威圧的なのかと思ったよ。むしろ外弁慶」

「どうかな。結局父も母も子供の教育はしてないんでしょ。上流階級の人たちは子育てしないんだよ」
「だろうね。関わってないっぽい。それなりに息子として大事に扱ってるとは思うけどね。むしろ、ルシウスさんはドラコを息子としてみてるけど、ドラコという一個人としては見ていないんじゃないかと思う」

「ふむ」
「記号的なのよ。マルフォイ家の長男の扱いであって、ドラコ個人への愛情ではない」

「でもまぁ、家族間の会話はある、と。あの年齢だと父親の影響力ってすごいからねえ。ああゆう風に育つのは避けられないわけだよ」
「そういや、競技用の箒買ってあげてました。あの家金持ちです」

「うんうん。で、父親の薫陶を受けて息子は育つ、と」



☆続・マルフォイさん家の家庭の事情


「その父親の影響なんだけど、……ドラコって結局父上は偉いんだぞって、尊敬してる部分はあるよ」
「だね。しかし、丁寧な呼び方だこと。私映画見て驚いたよ」

「まぁ、それは育ちの問題じゃあ…。で、ドラコは確かに父親の影響受けてるね。学校来てからロンの家族をバカにしまくってる。あれは父親の影響でしょ?」
「てゆーか、おかしいよそれ」

「え、何が?」
「だって、入学した時点で、すでにドラコはウィーズリー家に対する悪口を一通り持ってるわけでしょう?」

「あ、うん。速攻相手を判別して攻撃かけてる」
「てことは、それは父親の真似なわけ。あの年齢だと。つまりルシウスさんは、家で普段から相当ウィーズリーさんの悪口を言ってるわけよ」

「うわ。楽しい〜」
「四角い長いテーブルでさー、食事しながらひたすら文句を言ってるの。で、奥さんは黙々とご飯を食べている…と」

「やば…。ちょ…Tさんそれ面白すぎ…(爆笑)」



★アーサー・ウィーズリーの職業意識


「前回、私、さんざんイギリスの魔法界はコミュニティが小さいんじゃないかって言ったの覚えてます?」
「ああ、そんな話もあったっけ」

「でね! それで映画見たでしょう? 書店で、アーサーとルシウス。別れ際に「ではまた役所で」って言ってなかった?」
「ああ、言ってたような気がする」

「どういうこと!? って気がします。そもそもあいつらは役所で顔を合わせてるんかい!」
「それよか、ルシウスさんはどーゆー仕事してるわけ?」

「あー…わかんない。金はあるのよ、間違いなく。いろんなことに寄付とかしてるし。息子に箒を何本も買ってやっている」
「何本も?」

「あ、映画で見なかった? 彼スリザリンのチーム全体に箒を寄付したのよ」
「あ、そうか。やっとわかったよ。あそこの会話、意味わからなくてね。だから、こっちのチームはお金で選ばれたわけじゃないってハーマイオニーが言うのね」

「でもさあ。やっぱある程度の実力がなきゃ、いくら寄付金積んだってシーカーには慣れないと思うんですけど。スリザリンの能力主義の寮監がそれを許さないと思う(笑)」
「まあ、それもおいといて。ルシウスさんの職業は?」

「ええ〜? 領地経営とか?」
「まるっきり貴族だね。そもそも、「ではまた役所で」の発言を追求すると、あの人役所に結構通ってることにならない?」

「まあ、そこそこ行ってるんじゃないですか? なんか大臣と仲よさげでしたよ」
「へぇ?」

「あのね。4巻のクィディッチの決勝戦にマルフォイ一家が来るのは、大臣の招待なのね。どっかの病院に多額の寄付をしたからって事で」
「てことは、遺産を食い潰しているわけでもなさげだねえ。何してるんだか」

「でね、ルシウスさんは結構大臣から情報貰ってると思うのよ。三校トーナメントの件、ドラコは最初から知ってたの。それに、二巻では抜き打ち検査に警戒してる。その時に、「マルフォイの名はまだそれなりの尊敬を勝ち得ている」っていうのね。結局、あの家は家名が高い。それを大臣はおもんばかっている」

「ははぁ」
「あと、二巻の会話でわかるんだけど、抜き打ち検査でアーサーが残業してるって事をルシウスさんは知ってるわけ。ってことは、魔法省の内部事情にかなり詳しいんだと思う」

「えーと、アーサーさんは抜き打ち検査に参加してたの? 魔法省では抜き打ち検査担当?」
「いや…マグル製品不正使用取り締まり局だったかな。確か、二名しか職員いないの。どうでもいい部署」

「そのわりには「マグル保護法」とか制定してなかった?」
「そうなんだよねえ。出来ちゃうところが不思議。あと、ロンが言ってたな。パパはすぐにも出世できるけど、今の仕事が好きだからあのままでいるんだって。あ、つまりマグル関係の仕事ね」

「マグル関連の仕事は魔法省の中では軽んじられているわけだ。わかる気はするなあ。しかし、だとすると、そのマグル製品何とやらって部署、アーサーさんが自分で立ち上げたんじゃない?」
「ええ!?」

「私こーゆー仕事したいでーすって感じで。趣味を仕事にしてる」
「……てことは、アーサーって自分でわざわざ窓際に行ってんのか……」

「趣味人なんだよ」
「あーなんだかなあ。結局、アーサーも純血の魔法族って感じがする。趣味が仕事って、結局労働者の思考じゃないよ」

「意外に純血の人々には共通点あるんじゃない?」
「そういえばさあ。マグル保護法の前にアーサーが作った法律も、ザル法だった。自分でマグル製品が持っておけるようにしてるの」

「だめじゃん! (笑)」
「ダメなんだよ…(笑)」

「あ、でもね、抜き打ち検査には、アーサーも参加してたんじゃないかと思うの。魔法省全体でそういう仕事をしてたんじゃないかと」
「ああ、闇魔法に関する抜き打ちと言うより、違法の抜き打ちだったのね」

「そんなかんじで。アーサーは、独り言で「それじゃ心配になったわけだ」って言ってるの。ノクターン横町で物を売りに来たルシウスの話を聞いて」
「ははぁ。出会ってなくてもあの二人、仕事上でバリバリ対立してるんじゃない?」

「いやそれ、美味しい話です〜」



☆魔法省と村役場


「で、話を戻してルシウスさんの仕事の話だけど」
「うん?」

「あの人って議員とかと違う? イギリスって貴族院だっけ?」
「えーと、わかんない。てか、そもそも議会があるようには思えないんですけど。選挙とか」

「法律は魔法省が作ってるしねえ」
「4巻で裁判も魔法省が開いてるし…」

「ってことは――――ええ!? 三権分立してねぇよ!!」
「みたいだねえ」

「がーん…マジで今気が付きました。ダメじゃん魔法界」
「まあ、つまりそれはコミュニティーが小さいからじゃないの? それで済んじゃうわけ」

「そもそも魔法省自体の、拘束力に疑問を感じます。法律ってどのくらい尊重されてるの? とか」
「まぁ、ここからは前回の仮定を採用して話しましょうか」

「あーつまり、魔法省って村役場レベルだろ……って話ね」

「だからさー、ルシウスさんは村役場に対して村の委員レベルの影響力があるわけ」
「名誉委員とか。顧問のような関係かな?」

「だから、結構魔法省に行ってるわけよ。大臣とか接待に出て来ちゃったりして。本人用の椅子が役所の中にあったりするのね(笑)」
「え……。だけど何しに行ってるんですか?」

「暇だから」
「暇だから!?」

「魔法界の経営方針とか、大臣に話に行ったりね」
「ああでもそれ、ダンブルドアの役割だよ。ファッジは毎朝ダンブルドアにフクロウ便だして、これからのこと相談してるって、ハグリッドが言ってた」

「じゃあ、ダンブルドアとマルフォイは、意見対立してるわけだ。魔法省内で」
「……でもマルフォイじゃあダンブルドアに対抗するには役不足でーす。あれ? 役者不足?」

「役者不足」
「にしても、私はルシウスさん好きなのに…!(役者不足とか言っちゃって)」

「えーとそれでー、あ、そうだ。だからね。ルシウスとアーサーは絶対毎日役所で顔合わせてると思う」
「ええ!? それは嬉しいけど、ちょっと信じられないんですけど」

「だってねー。数少ない社交場だよ、役所って」
「でも、そういう人々が押し掛けてきたら、仕事がはかどらないですよ」

「はかどらなくていいんだよ」
「Σ( ̄ロ ̄|||)」

「だって、他に人たちだって、毎日何してるの?」
「し、仕事…? お店の経営とか…? スクイブの人だって、薬草育てるとか出来るはずだしなあ…」

「全体的に社会がのんびりしてるのよ。残業なんて、あるわけないって普通」
「魔法省にはあるけど……。あ、ひょっとして魔法省で働くこと自体が軽んじられてるのかな」

「役人なんて…って感じか。それ結構あると思うよ。まあ、ルシウスさんは働くこと自体を蔑んでそうだけど」
「ああ、ありそうだ」

「多分、マルフォイさん家にはかなり魔法省内の情報流れてると思うよ。大臣が垂れ流し」
「……やっぱ前時代的システムですよねえ、魔法省って」



★危険物取り扱い法


「そういやさあ、映画の話だけど。マルフォイさんは、リドルの日記の効力を知ってたわけ?」
「知ってたと思いますよ。それでアーサーやらダンブルドアやらを嵌めようとしてたんだから」

「自分で書き込んでみたって事?」
「あ、でもリドルってジニーに聞くまではハリー・ポッターのこと知らないんですよね。だから…あれ? 書き込んでないのか? でも、どうせジニーがハリーのこと話しちゃうってことはわかってただろうし…」

「で、結局ルシウスさんの目的はなんなんでしょ?」
「それは秘密の部屋を開くことだね。映画だと、ヴォルデモート復活! ってことになってるけど、実際、原作では復活できたのかなあ…? とりあえず、アーサー・ウィーズリーの失脚とマグル保護法の廃止かな」

「その程度で廃止されるのね」
「まぁ、犯罪者の家族が作った法律では…。でもてことは、結局法律って個人で作れてしまうって事ですね」

「アーサーが好きに作るのか…」
「なんかまた笑えてくるんですが…」

「ところで、ルシウスさんは何でリドルの学用品なんて持ってたの?」
「あ、それ複数あるんですよ。ダンブルドアがラストでルシウスに釘刺してる。「もうヴォルデモート卿の昔の学用品をばらまくのはやめなさい。でないと、誰よりもまずアーサー・ウィーズリーがその入手先をあなただと突き止めるだろう」って」

「―――ちょっと待って」
「はい?」

「アーサー名指し? 他人公認の関係ですか。しかも、最高権力者の」
「っええ!? マジ!? ああ確かにっ。ありがとう、気が付かなかったよ私は!」

「まぁ、娘が直で殺され掛けたことを差し引いても、これってアレですよねえ(笑)」
「ダンブルドア公認かぁ…(笑)」

「Tさん、アールシとかはまりません?」
「いや、無理だから。私は君みたいに悪友スキーでもライバルスキーでもないのよ。どっちかってゆーと受けの傾向が〜」

(以下・延々とカップリング傾向談義に)