5.ライブロックについて
ライブロックは、ベルリン式の濾過環境において、重要な役割を持っています。ライブロックは、スキマーで取り除けず、アンモニア,亜硝酸,硝酸塩へ変わったものを窒素ガスとして、水槽外部へ出す話は前記の通りです。問題は、ライブロックとして、売られているものが全て良質なモノかということです。良質のライブロックを入手できるかが、ベルリン水槽立ち上げの明暗を別けるポイントにります。
ライブロックは、多孔質な岩(珊瑚の死骸)ですから、細かい空洞が無数あって大きさの割には非常に軽いものです。またライブロックは、採集されるまで海にあった訳ですから、石灰藻(赤,赤紫の石灰質)はもちろんのこと、海のいろんな生物が付着していて、水槽に入れてすぐに現れるもの、何日も何ヶ月も後になってから現れるものと、さまざまな生物が顔を出し続けます。このことからもライブロック(生きた岩)と呼ばれるのだと思います。また「海の宝物」とおっしゃる方もいます。わかる気がします。
良質のライブロックを選ぶことが、水槽の立上げ時の一つのポイントと思います。良質なライブロックは、磯の香りがします。もし腐った臭いのするライブロックは、ベテランならともかく、初心者は水槽に入れるべきではないと思います。私は、初めてライブロックを購入した時に、到着した宅急便の蓋を開けた時の磯の香りに感動したことを覚えています。当然、海から引き上げて数時間掛けて水槽まで届くわけですが、移動中に死んでしまう生物がいます。このため、通常水槽に入れてしばらくは、アンモニア,亜硝酸濃度が上がると思いますが、良質のライブロックは、導入直後からまったく無検出です。
私も含めて、初心者がライブロックを買うときは、ベテランの方に相談して、その方の奨めるショプで購入することが無難だと思います。私もベルリン式で珊瑚水槽を管理されているベテランの方に相談して、「沖縄水族館」(ショップリンク参照)を紹介して頂きました。そして、立上げも何も問題なくでき、一年以上経った今でも、ライブロックから生物が湧いています。自分でもいろんなライブロックをみましたが、石灰藻は付いているものの、生体の付いたライブロックは「沖縄水族館」以上のモノを見たたことがありません。
<補足>
購入したライブロックは、ライブロツクに付着した微生物の死骸から発生するアンモニア/亜硝酸によって、本水槽の状態を悪くさせる可能性があります。このため新しいライブロックは、本水槽に入れる前に、別水槽に入れて様子を見ます。このような行為を「キュアリング」と呼んでいます。