(1)MT−250S+コーラルグロウ250W

◆MT−250は、浅場ミドリイシの色揚げには、一番効果のある灯具だと思います。それは、MT−250の集光能力にあります。MT−250の反射版は、メタハラ球からの光を65%以上反射する程、効率が良いらしいです。(他灯具は、40%以下らしいです。)反射版の性能から見ると1位:MT,2位:SC,以下・・・のようです。
◆実際にMT−250S+コーラルグロウを使ってみると、褐色化したハナヤサイが赤紫に,トゲホソエダの色が復活、そしてスギが成長を始めるなど、良い方向に向かっています。ただ黄色だったクシハダがグリーンになったので、SCとサンライト(10000k)の下へ戻しました。黄色の維持には向かないのでしょうか?MT−250を水面に近づけるか、さらに多灯して強い光を当てると維持も可能かもしれません。
◆集光範囲が30cm以下と狭く、多灯の必要があることが難点だと思います。私は集光範囲から外れたところは、SCとサンライト(10000k,コーラルグロウ)で補っています。
◆使用するメタハラ球については、以前はMT−250+ab10000kの組み合わせが、浅場ミドリイシの色揚げ効果の定番だったようです。しかし、今はab10000kが製造中止になって手に入らないようです。メーカーからMT−250のメタハラ球は、10000Kとコーラルグロウのどちらかを選ぶことができます。私は、10000kを使ったことがないので、使用感はコメントできませんが、関東のショップ・諸先輩方の使われているメタハラ球は、コーラルグロウの方が圧倒的に多いようです。

◆2003/12末、MT250を3灯にして、それに伴いサンライトを撤去しました。MT250の多灯効果はすぐに実感できました。黄緑だったハナヤサイとツツユビミドリイシがパステル調のイエローに変わりました。イエローの維持・色揚げが難しいと思っていたMT250+コーラルグロウの組み合わせも、多灯にすれば可能だということがわかりました。(2004/1/3日誌参照)
◆ブルー系のSPSへも効果が現れました。パープルのウスコモンが、パステル調のパープルブルーへ、ブルーのコエダミドリイシもさらにブルーを増して色揚がりしました。(2004/1/13日誌参照)
◆ピンク系のSPSへも効果が現れました。当初褐色化していたショウガサンゴもピンクに色揚がりしました。MT250の直下だと先端が焼けてしまったので、直下から外れたMT250の2台の光が当る場所へ置きました。(2004/1/12日誌参照)
◆全体がグリーンで先端パープルのヤッコミドリイシは、先端のパープルは変わらないものの、全体が茶色いグリーンになってしまいました。照度が強過ぎるのだと思います。
 SPSによってはMT250の照度が強過ぎるのか先端が焼けるSPS(ハナヤサイ,ショウガ)もあり、灯具の高さを調整するか、SPSの置き場を変える必要があります。



(2)スーパークール115 マリンブルー(散光球)

◆SCは、150Wのメタハラでは一番使えるメタハラだと思います。6500Kの色温度をベースに20000kの色温度も出るようになっていて、ミドリイシが独特の色揚りをするようです。照度の関係から、単灯なら高さ45cmまでの水槽で、それ以上なら多灯して、光を重ねて照度を上げる方が効果があります。色揚げを狙うなら多灯が効果大です。
◆SCは、生産されたロット毎?に放つ光の波長が若干違うようです。このため新品と交換しても、今まで使っていた色と同じような球に当たるのは、難しいようです。そこで、この特性を逆に利用して、SCを多灯することで、色んな波長の光をミドリイシへ当てると同時に、照度UPもできることからミドリイシの色揚げに有効だと思います。ただSCは、紫外線を多く出すため、深場・中場ミドリイシなど嫌がる種類もあるので注意が必要です。
◆ピンク/赤系のミドリイシの色揚げに良いように思えます。私はドケ,ショウガ,ハナヤサイ,ツツハナガサ,ハイマツをSCの下に置いていますが、ピンク/赤に色揚がりしています。
◆SCは、使用可能期間が、短いように思えます。3ヶ月を過ぎると赤系の色が少なくなり、白・黄色い光が目立ち始めるようです。このため、6〜10ヶ月(8時間/日)が交換の目安ではないかと思います。古いSCと新品のSCと比較すると赤い色が出なくなっているように感じました。
◆設置面からみると、安定器と灯具のケーブル(1.5m)が短くて、安定器の置き場に困りました。特に多灯する場合は要注意です。
◆交換球が高価で売値でコーラルグロウ球の250Wと変わらないのに、使える寿命が短いのは難点かと思います。特に多灯していると影響が大きく、SC 3灯からMT250 1灯へ交換した方がランニングコストが良いと思います。ただ、SCの独自の色揚がりも捨てがたいです。悩みどころでしょう。
◆SCは光の外周に黄色い光の輪ができます。このため、この光の輪の部分に置いたSPSは、黄色身を帯びた色合いになるので、個人差はありますが、お世辞にも綺麗とは言えません。



(3)TFW サンライトアクア(10000k)

◆アクアには、ウシオ製の10000k「USHIO UHI-150AQUA」の球が入っています。ウシオ電機といえば、浅場ミドリイシの色揚げに絶大な成果を上げていたab10000kの250W球を作っていた会社です。私が使用しているのは、150W球で250W球ほどの照度がないので、単灯での色揚げ効果より多灯の方が期待できると思い、SC3灯と併用して4灯で、赤・ピンク・イエロー系浅場ミドリイシ/ハナヤサイへ当てています。
◆以前、アクア球単灯で使用していた時は、アストロビーム球の端で褐色化して成長を止めたフトトゲが成長を再開したり、トゲサンゴの色揚げ効果もみれました。また、青球の下では緑色に変わりやすい黄色のクシハダミドリイシの黄色を維持することもできました。ただし、アクア球は、白い光が強く水槽全体が白く見えるため、海のイメージが薄れます。またアクア球には赤・黄の光も含んでいるため、赤・黄色系のミドリイシは比較的綺麗に見えますが、それ以外のミドリイシは、白っぽさに本来の色が、かき消されて綺麗に見えにくいです。演色性を考えると青い光が混じった方がミドリイシも水槽全体も綺麗に見えます。ミドリイシを成長させるためには良い効果がありますが、鑑賞用としては今一歩と言えば良いでしょうか。
◆アクア球は、SCに比べて照度が強く、SC1灯だとアクア球に負けて白っぽくなるので、SC3灯+アクア1灯で照度,演色性ともに良いように思えます。
◆私は、ミドリイシに色んな光を当てる目的と昼間の11:00〜14:00の強い光の時間帯を意識して、3時間だけ点灯しています。
◆灯具は、ほぼ均等な配光になるように、言い換えるとソフトな配光で、中心もその周りも違いが少ない配光になっているようにみえます。150Wでソフトコーラルを育てるに適した灯具ではないかと思います。水面から30cmの所から照らして、60cm×60cmの範囲をカバーします。
◆ソフトコーラル専用に使うのであれば、この灯具と同じウシオ電機製のリーフ球の組み合わせが良いと思います。



(4)興和システムサービス NZ BB450,NZ RB37

◆BB450,RB37は、補助灯として使用しています。私の場合、メタハラを点灯していると、はっきり言ってNZを点灯しても消灯しても演出は変わりません。またミドリイシへの影響もわかりません。でも強いメタハラの光にかき消されて、私の目に見えないだけで、NZの光・波長はミドリイシへ届いていると思います。
◆NZは、ミドリイシの色揚げ効果よりも、夜メタハラが全部消えた後に観れる、昼間とは全く違う水槽の演出を楽しんでいます。またカタログに書かれているように、珊瑚の成長に良い波長(光)を出していることも期待してます。
◆NZは、メタハラが点灯する1時間前に点灯して、メタハラが全部点灯すると消灯します。また、メタハラが消灯する一時間前にNZを点灯して、メタハラが全部消灯した後の2時間後に消灯します。これは、メタハラが突然点灯/消灯することで、珊瑚・魚へショックを与えないようにと考えてのことです。
◆灯具が大きような気がします。特にメタハラを多灯するとNZの設置に苦労します。