![]() トゥルン (Trun) の美しい村 ![]() ディセンティス (Disentis)のネヂィクト修道院前を通過する氷河特急 |
■ 氷河特急 (Glacir Express) フリムスのホテルを8時前出発。この山沿いを走る国道19号線は、左に緑の渓谷を眺めながら快適な道が続く。途中トゥルン (Trun) の美しい小さな村を通過する。ここは画家であり「ウルスリのすず」、「フルリーナと山の鳥」、「大雪」、「マウルスと三びきのヤギ」、「マウルスとマドライナ」、「ナシの木とシカラバとメギの木」などの絵本作家として有名なアロイス・カリジェ(1902〜1985) が生まれ育ったところで、いくつかの建物に透明感のある壁画を残している。 さらに小さな街道を次々に通過し、あの有名な「氷河特急」 (Glacier-Express) が走るFO鉄道も、右に左に変りながら平行している。時間に合わせてディセンティス (Disentis) 付近のアーチ橋でビデオを構えて待っていると、通過する氷河特急から大勢の乗客が手を振ってくれた。かみさんと一緒に少し照れながらそれに応える。旅は時には童心になれるのである(笑)。【写真1・2・3・4】 ■ オーバーアルプ峠 (Oberalp Pass) やがて60キロほど走ったセドラン (Sedrun) の付近から坂道になり、右に左にヘヤーピンカーブを登って行く。どうやらオーバーアルプ峠になったらしい。この峠は冬季の期間は閉鎖されることが多く、車ごと列車に載せてアンデルマットまで運ぶ 「カートレイン」 が夏期でも運行されているが、峠好きの我々夫婦には無用で、ジグザグのカーブと徐々に登って行く峠道は、歩かずにして登る登山のようなもの、峠越えはたまらなく楽しい。【写真4】 途中には、牛の群れが 「カラン〜、コロン〜」 とカウベルを鳴らして牧草を食べていたり、滝が見えたりして、かみさんは助手席から盛んにビデオを回している。ドライバーはゆっくり眺める余裕はないが、スピードを落としながらマイペースで登って行くと、グラウビュンデン州のデュセンティスとウーリ州のアンデルマットとを結ぶ、スイス・アルプスの高所にある峠、標高2,046メートルのオーバーアルプパス・ヒューエ (Oberalppasshöhe/2,033m) 駅前を通過し、峠の頂上からオーバーアルプ湖を見降ろす 「レストハウス」 前に到着した。 ■ 峠のレストハウス (Rest House) ここはFO鉄道で最も高い標高2,046mの場所である。「こんな所まで電車が通ってるなんてすごいわね〜!」 と、かみさんも感心しながら眺めている。この付近の路線は、山の傾斜部には積雪や雪崩対策のスノーシェットが施されている。山頂に目を向けると、遠くにオーバーアルプ・ストック (Oberalpstock/3,328m) が見え、湖畔に放牧された数十頭のカウベルの音が、山から吹き降ろす清々しい風に乗って聞こえてくる。「いいね〜この景色・・!」 と言いながら、レストハウスのテラスでゆっくりと休憩する。「来て良かったわ!峠のドライブって素敵ね!・・」 と話し掛ける かみさんの顔が、一瞬輝いて見えたのは眼の錯覚だったのだろうか・・?。 「気ままな旅」 の、この何とも言えない時間が、ツアーでは味わえない旅の楽しさを与えてくれるのである。【写真7】 |
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![]() オーバーアルプ峠頂上 ![]() 氷河特急 Glacier Express ![]() オーバーアルプ湖畔 ![]() オーバーアルプ頂上のレストハウス |
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■ アンデルマット(Andermatt) オーバーアルプ峠頂上から、アンデルマット (Andermatt) までの、およそ7キロほどの下り道は、道路の拡張工事も終わって、広くてとても走り易く快適なDriveとなった。坂の途中の車窓から見えたアンデルマットは、予想とは違って静かでとても綺麗な街である。【写真6・7】ここは氷河特急のちょうど中間地点にあたり、北はチューリヒからドイツ方面、南はルガノからイタリア方面に向かう重要な交差地点になる。町は駅からさらに4〜5分南に位置し、町からは見えないが、この下にはヨーロッパ南北の動脈にあたるゴッタルト鉄道トンネルと、高速2号線の自動車トンネルの2本が通り、地上を走る氷河特急とは立体交差しているのである。ここからゴッタルト鉄道に乗るには、FO鉄道の支線でゲッシェネン (Goschenen) まで行って乗り換える必要があるが、その途中にあるシェーレネン (Schollenen) の谷には、伝説で有名な 「悪魔の橋」 があることで有名である。 |
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![]() アンデルマット (Andermatt)の街 ![]() シェーレネン (Schollenen) の谷の 「悪魔の橋」
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