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■ 熱帯雨林の街 「キュランダ」へ ケアンズから北西約34kmのところにある 「キュランダ」 はアサートン高原 (Atherton Tableland) の入り口にあたる小さな街で、バロン川 (Barron River) に沿った小高い場所にある。この街はゴールドラッシュ時代にはアサートン高原の錫鉱山への重要な入り口として栄えたところで、現在では毎週3回開催されるキュランダ・マーケットのさまざまなクラフト・ショップが有名となって、大勢の観光客がやって来る。このキュランダへは、通常ケアンズ駅から発車するキュランダ鉄道で、およそ1時間半ほどかけて高原へ登って行くところであるが、車で行くと、ケアンズからキャプテン・クック・ハイウエイを、およそ13km走ったスミス・フィールド (Smithfield) の交差点を左折し、ケネディ・ハイウエイ (Kennedy Highway) に入って山道を登ると、ケアンズからおよそ30分ほどでキュランダに到着した。【写真1】 ■ 熱帯植物のプラットホーム キュランダ駅のプラットホームは熱帯植物が覆い茂り、列車で到着した観光客は下車した早々熱帯雨林の実感を味わうことになる。鉄道やスカイ・レールで到着すると駅前から歩いたとしても10分ほどの距離であるが、無料のマイクロバスが、マーケットのすぐ近くまで循環している。人口500人ほどの小さな街は、メインストリートの 「クーンドゥ通り」 (Coondoo.St) を中心に展開され、お土産屋、レストラン、郵便局、教会などが並んでいる。突き当りを右手に行くと毎週、日・水・木・金曜の午前中だけオープンする 「クランダ・マーケット」 で賑わうサーウィン・ストリート (Therwine St.) があり、クランダにアトリエを持つ色々な芸術家?が自慢の工芸品を並べて即売している。【写真2・3・4】 ■ 世界最古の木管楽器? 中にはガラクタのような物から民芸品や帽子、Tシャツ、アポリジニの楽器 など商品の数は多い。このアポリジニの伝統的な楽器は、世界最古の木管楽器と云われるディジュリドゥー (Didgeridoo) と言う笛で、オーストラリアの各地で良く見かける。簡単に云えば音程を変える穴のない筒の笛で、白蟻が中を食べて空洞になったものがいい音が出るらしい。そのため蟻塚にわざわざ木をさし込んで中を食べて頂くとか・・?。その値段もピンからきりまでさまざまで、やはり良い音の出る、いいアボリジニ・アートが描かれている物は高価である。吹き方は唇をぶるぶると震わせながら吹くのがコツだと教わったが、この種の笛はなかなか上手に鳴らすのが難しい。唇の当たるところは蝋で固めてあって、上手な吹き手が鳴らすその音は1度聞くと忘れられない素晴らしい音色がするのである。【写真5】 |
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■ オーストラリアン・バタフライ・ サンクチュアリー (Australian Butterfly Sanctuary) クランダにある蝶の保護区で、幅20m天井まで高さ10mの3,666m²の広さを持つ巨大なアルミ製のグリーン・ハウスは、世界最大のバタフライ・ファームといわれている。この中には自然のまま自由に飛びながら鮮やかに羽ばたく色々な蝶が、 「芋虫」 や 「さなぎ」 なども含め、その生涯を観察できる。その変化ぶりには驚くばかりである。また飛んでいる蝶のなかには、頭や肩にとまって、皇太子紀の雅子様と同じようになったりして、思わず微笑んでくる。世界中には2万種類もの蝶が生息する中で、382種類がオーストラリア産だと言われ、その中から35種、数千羽の蝶を飼育している。意外と知られていないことは大陸間を横断したり、長距離を移動する蝶がいることで、普通昼間だけしか飛ばない小さな蝶が、いかにしてそのような事ができるのか不思議な気がするのである。【写真6】 ■ 蝶は蜜を吸って生きている ほとんどの蝶は、昆虫や蜂のように蜜を吸って生きているが、でもそれは口からではなく、プロポスイスと呼ばれる舌のような器官から吸収している。また自己防衛は刺すことのできる蜂と違って、ある種の蝶は体内に毒があり、もし鳥がこの蝶を食べると猛烈に苦しみ、時には死に至ることから決して近寄らなくなるような仕掛けがあり、またそんな蝶の色や羽の形を真似て、鳥などからの攻撃を避けているちゃっかりした蝶もいるとか。蝶は4枚羽を持つため、身軽な方向転換が可能で、全方向視野の半球状の目と共に、危険予知能力が非常に高く、外敵からの攻撃を素早く回避するように出来ているらしい。ここに入ると蝶の色々なことが分ってくる。【写真7・8】 |
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