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■ デンツリー川を渡る ディンツリー国立公園の北部に当たるケープ・トリビュレーションへは、長さ約300mほどのディンツリー川を渡る必要がある。道路の先に停泊していた平面状のフェリーに乗り込むと、まるで道路が移動するように、 いとも簡単に動き出した。このフェリーは両岸から2本の太いケーブルによって支えられ川の流れに対処している。川を通る船が無いため出来るシステムである。船の推進は船上のエンジンによってケーブルを引っ張りながら進む珍しい 「ケーブル・フェリー」 でこんな乗り物は初めてである。車内に座ったままでいるとベルトにバックを付けた昔のバスの車掌さんのようなスタッフが料金徴収にやって来た。【写真1】 ■ 道路が冠水しストップしてしまう フェリーから下船すると道は二手に分かれ前を走る車の後を追っていたら間違えて左の道に入ってしまった。500mほど走ってUターンする。確かめもせずに人の後を追うと大体このようになる。言い訳になるが分かれ道にはなんの標識もなかったのだ。Mapを見るとやはり右側の道が正しかった。この辺りにくると道路標識も無いところが出てくる。木立の生い茂るトンネル状のダートな道を走ると突然道路が長さ約10mほど冠水している。左の山から流れ出る水のせいで深さが判断できず暫く立ち止まっていると、後からきた乗用車が 「問題ない・・!」 と叫びながら追い越し、あっという間に通過した。深さはMax 30センチほどで素早く走ればマフラーは水没する心配がないことが分り、10mほどバックして勢い良く走り抜ける。まるで水上を走る車のように窓上まで水しぶきが上がってきた。かみさんは 「こんな道はなかなか無いわ!・・・」 と大喜び、プラス思考の女房である。 |
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■ 世界遺産の出会う場所 やがてケープ・トリビュレーションの中心にあるココナッツ・ビーチ・レインフォレスト・リゾート (Coconut Beach Rainforest Resort) に到着した。世界遺産の熱帯雨林がココナッツ海岸まで続き、そして同じく世界遺産のグレート・バリア・リーフの海と出会う場所である。このケープ・トリビュレーションの名前は、今から約230年ほど前の1770年6月、あの有名なキャプテン・クックの船エンデバー号が、この海岸の沖合いで珊瑚礁に座礁したとき、 「困難な岬」 との名称をつけたのが由来といわれている。海の色が少し茶色をしているのはマングローブが海水に泥を吐き出すせいらしい。 【写真6】 ■ ひさしぶりの日本人? この海岸にあるリゾートのレストランには、ワーホリ中の名古屋出身の正木さんが勤務していた。 「久し振りの日本人の方です・・」 と声をかけられる。シドニー・オリンピックが終わってからこちらに移ってきたようだ。それにしても 「こんなに人里離れた場所での生活は大変でしょう・・」 と聞くと、「この環境が大好きなんです・・」 との答え、確かに大自然の環境である。日本の若者の中にはいろいろな世界で働き経験を積んでいる人も多い。かみさんとそんな話をしながら正木さんお薦めのランチを食べる。食べ終わるとカプチーノを 「これサービスです」 と持ってきてくれました。 「お元気で体に気をつけて働いてください・・」 と挨拶しながらお別れをする。いまどき珍しく、礼儀正しい素敵な青年にお会いできて、とっても暖かな気分になる。【写真4・5】 |