ルシフェル <ユダヤ教・キリスト教><神魔>

 かつて、天界にあってもっとも力強く、もっとも美しい姿をしていた天使。明けの明星を司る。12枚の翼を持ち、勇気と気品を兼ね備え、天使長として神の右に立つことを許された。しかし、自分の力が神に勝っているものと慢心し、己が神の玉座につくことを考えるようになる。そして、全天使の3分の1を率いてクーデターを企てるが失敗し、ルシフェルに次ぐ地位にあったミカエルによって稲妻の如く地獄へ堕とされ、ルシフェルに従った天使たちも同様に地獄へ堕とされた。その後、ルシフェルは地獄の首都パンデモニウム(万魔殿)を建設し、堕天使の君主として地獄に君臨する。七つの大罪のうち「傲慢」を司る。
 ルシフェルは初期キリスト教においてサタンと同一視されることもあるが、これは、イザヤ書にある「輝きを広げる」という意味のヘブライ語「heilel」を誤読し、「炎を運ぶ者」を意味する「lucifer」と誤読したためである。