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雑音に敏感であることの美徳


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12月15日
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 2005




 2004

■口は個人情報の元

会社で個人情報保護の講習を受講した。

某企業や人材派遣会社の顧客データの流出で話題にもなったが、個人情報は厳重に扱わないといけない。わかっちゃいるけど★の数ほどの人間のデータに囲まれると、それは個性をなくし、数字の羅列でしかなくなり、悪意はなくともついついゾンザイに扱ってしまうのが現実だ。

ところで、電車で隣の席だった50〜60代の女性2人組。片方(関西系)の娘さんは結婚したばかりらしく、母(仮)は最近の披露宴の流行をバッサリと斬っていた。

「ウェルカムボード? なんやそりゃてなもんよ」
「席回る時やお見送りの時に200〜300円やそこらのお菓子配るんやけど、私にしたらしょーもない。あなもんいらんわ。」
「メッセージカードやて。悪ぅないけど(良いともいえない響き)。でもな、どの本見ても書いてあるし、友達の式で、ゆっこ(娘・新婦)は感動した!言うねん。どれも流行に踊らされてるだけやねん。」

たしかに。上記のものは最近の結婚式ではお約束だし、私自身も腕に覚えのあるモノが多々。式のあれやこれやをひとしきり批判した後は、ターゲットは娘婿に。“あぁ、その一線だけは超えてはいけない!”と私は心の中でストップをかけたが、母(仮)のブレーキは利かなかった。

娘婿はあまり大きくもないゆっこよりさらに小さく、娘婿父はさらにひとまわり小さく「140くらいやないやろか」。隣に148cmの私がいると知っての暴言か。娘婿の母も妹も小さく、「まるで小人一家や」そうだ。「女のちっさいのは可愛いで済まされるけど、男のあまり小さいのはな〜…」

そこで私は電車を降りた。(※別に背が低いことを批判されたからではない。)あぁ、実の娘・ゆっこの結婚式の辛口批判のみならず、娘婿ファミリーの詳細までコトコマカに明かしちゃって。しかも姓まで。容姿などの身体的特徴や経済状態、生活習慣、性癖などは、センシティブな情報として扱われるらしい。ので、母の行為は確実にプライバシーの侵害にあたる。

敵は何もデータを収集する企業だけじゃない。センシティブな情報がまさか身内から漏洩し、そしてまったく知らないルートから予測もしない方向に広まる恐れがあるのだ、ということを目の当たりにした。もし私が背の伸びる薬開発特許出願中と謳う悪徳業者で、娘婿ファミリーをカモにしたらどうするんだ。それよりもこのコラムを、新婦ゆっこと新郎が見つけてしまったらどうするんだ。確実に義母と婿間の親子関係はギクシャク。「お義母さん、そんなこと思ってたんですね」「母さん、ひどい!○○さんに謝ってよ!」……明らかに母の形勢不利だ。でも書かずにはいられない。それがジャーナリズム!(嘘)

デスクの上に山積みの個人情報、丁重に扱おう。そして人に誰かの話を伝える時は、「○○ちゃんがね」といったように、固有名詞を出さず極力イニシャルトークにしよう、と心に誓った日でした。

(2004-12-15/C)




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