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雑音に敏感であることの美徳


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12月3日
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 2004

■火花 ☆ 散る

終電、空いた座席のちょうどその前に、ふたりの若者が立っていた。そして、同時にその席に座ろうとした。で、ふたりとも二の足を踏んだ。すぐに2人のどうぞ合戦。いえどうぞ。いや、どうぞどうぞ。いえいえ、さぁさぁ。何をおっしゃる……なんて5往復くらいしただろうか。

するとトッポイ方のニイちゃんがさっと視線を反対側にそらした。対して、関西系のあんちゃんはじゃぁ…いいっすか、甘えちゃいますよ。って言わないけど頭は下げずに首を下げるしぐさをしてその席に座った。

あるイミ2人とも潔かった。甘えちゃいます。と、言えるあんちゃんと、クールにいやいいよ座りな、と視線を外したニイちゃん。座るのを諦める潔さと甘えられる潔さ。2人ともほぼ間違いなく大学生だが、ぼくは2人共に好感をおぼえた。

なぜならその時、ぼくは、ドア横の角に立ち、すぐ後ろの座席からぼくの背中に頭をもたげてくるヤツと肘で格闘を繰り広げていたのだ。

(2004-12-03/K)




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