Think again to think widely.

雑音に敏感であることの美徳


Before(11/28) Next(11/30)
11月29日
2005 2004
 2005




 2004

■語源を考える 2

北海道に5年ほど住んでいたことがあって、様々な「北海道弁」に触れて来た。

そもそも「北海道弁」は訛りがほとんど無くて、東北地方のそれの様に聞き取れないという事は、まず無い。大手企業には、人件費の安い北海道に電話のコールセンターを新設(もしくは移設)するケースが多いそうだが、訛りの少ない北海道ならではだ。新設時には一気に数百人規模の雇用が創出されるので、馬鹿に出来ない。

訛りが少ないから、既知の単語と全く異なるものでもちゃんと聞き取れるので、覚えてしまえば会話は苦にならない。
「なまら」=とても。・・・なまらうまい=とてもおいしい。
「ばくる」=交換する。・・・ばくりっこ=取替えっこ
などは有名な例。

一方、語法が標準語と異なるというケースもある。丁寧語(時に尊敬語)として、過去形を用いるという点だ。具体的には、「井上でした。毎度様でした。新宅さんはいらっしゃいましたか?」という感じ。なので最近「バイト言葉」などど言われる「よろしかったですか?」は、北海道ではちっともおかしくないのである。

道内なら、ローソンだってロイホだって三越だって全日空ホテルだってだいたい「よろしかったですか?」なのである。田舎の親父さんも、「これでいかったか?」と言うのである。英語で言うならば、 Can you 〜 ? よりも Could you 〜 ? の方が丁寧というのに、きっと似ている。また、この方言は東北地方の一部でも活躍している。

という訳で、「よろしかったですか?」は「北海道弁」がルーツだろうと思っている。

言葉も生きてりゃ国内や海外を問わず旅行したいのかしら。たとえ東京を追いやられたって、北海道では元気に生きていて欲しい言葉である、と僕は思っている。

(2004-11-29/#T)




読んでいただき、ありがとうございます。
ぜひ「あいづち」を。押すだけ。よろしければ続けてコメントも。

Columns by Day 月・日からコラムを見る
JAN FEB MAR APR MAY JUN
JUL AUG SEP OCT NOV DEC
Writers' Profile 研究員プロフィール
(K) (C) (#T) (EC) (B)
■You may link to this page without asking permission.■
(C) shink-tank 2004-2005 All Rights Reserved.