■15分のヒロイン
NHK朝の連続テレビ小説が好きだ。
現在放送中の「天花」は、当初評判は芳しくなかったらしいが、ここへ来て視聴率が上昇しているそうな。理由は定かではないが、私は天花ちゃんの妖精のような不思議さが、不思議すぎて気になりすぎて、「これって…恋?」みたいな風にハマってしまった。そんなわけでこれまたほぼ全話見逃さずに見ている。
朝ドラの魅力は、ヒロインの相手役が一見ハンサムではなくむしろ軽い嫌悪感すら抱かせてしまう癖のあるキャスティングなのに、毎日見ているうちになんだかとてもステキに思えてくるところにある。と思う。これを私は“朝ドラマジック”と呼んでいるのだが、この感覚は異性として意識しえない幼なじみやクラスメイトに突如恋をしてしまうのと似ている。
そしてよろしくない点は、放送期間が半年と長いこともあってか思いっきり中だるみするわりに最後の2週間くらいで展開を盛り込みすぎる点と、人気の出た子役を再び孫役としてリユースさせてしまうエコ感覚だ。
ふと、これまでのタイトルが主人公の名前そのままで3文字というものが多いことに気付く。「天花」「こころ」「さくら」「あすか」「あぐり」「ひらり」「ぴあの」そして「おしん」… そしてその法則にのっとったものは比較的ヒットしている。と記憶してい
る。
昨日、来春スタートのタイトルが発表された。
「ファイト」
主人公は働く15歳。これも「13歳のハローワーク」の影響か。残念ながらマイ・ジンクスでいけば、ヒットの予感とはほど遠いネーミング。だが当て字にして「父愛人」で“パパの愛人物語”、「風愛渡」で“ハンググライダーで日本列島一周物語”、とか、「負哀斗」で“女K-1ファイター戦記”とかじゃなかっただけ良かった。ヒロインは本仮屋(もとかりや)ユイカさん。假屋崎さんじゃなくて良かった。そこまでNHKも奇抜な展開は盛り込めまい。
余談1:ここ数年のマイ・ベスト・朝ドラは「あぐり」(平成9年放送)。野村萬斎演じる吉行エイスケさんが亡くなってしまったので、続編が望めないのが残念。
余談2:研究員Bの家には斉藤由貴主演の「はね駒」(昭和61年放送)ののれんがつい最近まで飾られていた。
(2004-09-16/C)