■だんじり祭り
“京美人”とか“博多美人”とか“あきたこまち”(?)とか、女性を形容する都市というのはけっこうあるのに、男性では“九州男児”以上にイメージを掻き立てる地名はないのではないでしょうか。
亭主関白、頑固者、暴君などなど、様々なイメージがあると思いますが、どれもよく言えば男性的。そんな九州男児のイメージを、私は「だんじる」と呼んでいます。
九州男児を父に持つ友人(女性)がいます。実家暮らしといえど自立したヒトで、料理も洗濯もきちんとする。自分の分だけでなく家族の分もする。お正月にはおせちを作り、クリスマスにはケーキも作っていました。
そして、つい最近、彼女のリビングには暗黙のルールがあることを聞きました。それは食事でのルール。
男女一緒のテーブルにつくことはなく、男子の後に女子は食事を摂るということ。さすがに父上と2人の時は一緒に食べるが、兄がそこへ加わった瞬間、彼女はそっと立ち退き、後で食べる、と言うのです。
古き良き時代?すべては子供中心で、お父さんのは出来合のモノでいいわね的な昨今、小津安二郎の世界を今だ地で行くご家庭があることに、おいどん驚きました。
九州男児の定番イメージからは想像できない愉快で茶目っ気のあるお父様なので、そんな厳格ではないと思うのですが、それは彼女の家では特別なことではない日常の習慣であり、自然と身についていたことなのでしょう。
(2004-08-03/C)