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雑音に敏感であることの美徳


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7月19日
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 2006




 2005

■判官贔屓

兄は真面目がとりえだがちょっぴり不器用、そんな兄を見て育った弟は、ちゃっかりと自分の好きなことを選んで巧いこと生きていく。というのが定説だ。

それなのにどこかの兄弟は、これまでの定説をくつがえすかのように兄がおちゃめで器用、弟は真面目で不器用。

お兄ちゃんの器用っぷりといったら、渦中の最中に経営する飲食店の新店舗をオープンさせてしまうほどしたたか。そんな店がすでに6店舗も存在していたことも知らなかった。

でも、そのネーミングはどっかの飲食店グループをパクっているよないないよな。

根拠もなく劣勢の方を応援してあげようかという気がしてしまいがちですが話題の真相はどうなのか。今日、仕事でお会いした芸能週刊誌の方にお聞きすれば良かった。

(2005-07-19/C)



 2004

■ナルキッソス

「ねぇねぇ、僕ってナニ系?」

奥多摩の蕎麦屋でふと耳に入ってきてしまった言葉。その瞬間、舌では鴨せいろを味わいつつも、全神経を真後ろのテーブルに集中した。

オトナだったらどうしてくれようかと思うセリフだが、幸い声の主は小学校中学年くらいの少年。家族・親戚と奥多摩を訪れた様子。久々に会った親戚に、いきなり度肝を抜くような質問だった。彼を見知らない私も驚いたが、その質問に親戚のおばちゃんはどう答えれば良いものかと言葉を失っていた。ナニ系っていったい何だ?質問の趣旨さえわからない。さすが子供。

たしかにその少年はとてもカワイイ顔をしていた。目はパッチリ、まつげもバチバチ。でもどこか骨ばった男らしく整った顔立ち。最近めっきり大リーグファンのKは「松井稼頭央に似てる」とつぶやいた。

少年の突飛な質問に助け舟を出したのは実母だった。母の証言により、いくつかの事実が浮かび上がった。

1)少年と同じクラスの友達Aくん(仮)が、NEWS(ジャニーズのバレーボール応援キャラ)のバックダンサーを務めている。
2)Aくん(仮)と少年は学校でもよく似ていると言われる。
3)小さい頃からカワイイから芸能界に入れれば?と周囲に勧められていた。

ここまで聞くと、お母さん、それ自慢?と思いますが、そうではなく夢を見ているのは少年の方。母はすっかり調子にのってしまった息子にげんなり気味なのだ。

「頭が○○でも顔で食べていける人はいるけど、友達と同じことしてどうすんのよ。」とお母様は一喝。やや乱暴な口調から、そのうんざりっぷりが感じ取れた。

自分の子供が万が一美貌に恵まれて、とんだ勘違いボーイorガールになってしまったらどうしよう。我が子の夢を素直に応援できるだろうか。それとも叶わぬ夢は見るなと諦めさせるだろうか。どちらにせよ私は戸惑うだろう。そのお母様がたくましく思え、眩しかった。見たわけじゃないけど。

モー娘。をはじめ“クラスにいそうなカワイイ子”の登場により、芸能界がやや身近に感じられるようになったここ数年。それでもそんな夢を描くのは女の子ばかりと思っていたが、男の子もそうなのか。もてたい→バンド→CDデビューとか比較的現実めいた夢じゃなく、純粋にアイドル路線を狙っている姿勢は新鮮。少年は、Aくん(仮)がそうだったように、スカウトされるべく「原宿へ行きたい」とおじいちゃんにおねだり中。やっぱり今も「スカウトといえば原宿」なのだろうか?もしも彼がデビューしたら、ジャニーズの「家族が勝手に応募した」というヤツ、あれは体のいいウソなのかどうか真実が明白になるチャンスでもある。

ナニ系かといえば松井系。でも彼はもしかしたら一家の「稼ぎ頭」となる日も近いかもしれない。

蕎麦がくるまでNEWSの「希望〜Yell〜」少年は歌い続けた。
♪夢を描く〜君に幸あれ〜 という歌詞は、自分へのエールだろうか。

ふたつのイミで美味しいカモを食した日曜日。

(2004-07-19/C)




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