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雑音に敏感であることの美徳


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7月7日
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■カワズの跳躍

「井ノ中ノ蛙、大海ヲ知ラズ」。

TV「新撰組」の序盤。日本の開国について近藤が、大使館員と話す設定があった。(ちなみに川平慈英)大使館員は、鎖国状態にあった日本をことわざにたとえて言う。

それに応えて、近藤は「それには続きがあるのをご存知ですか」といって続ける、「井の中の蛙 大海を知らず されど 天の高さを知る」。(やるぜ、三谷。これまで見てきて最も利いたセリフ。三谷氏は積極的に末端の役にまで練られた粋なセリフを発言させていて聴き甲斐がある)

広辞苑によると「世間知らずのこと、見識の狭いことを言う」。「されど〜」以降の解説は、広辞苑にはありません。荘子によるらしい。

荘子は、君主をいさめたりする為にこのような喩えをしたのだろうかわからないが、カエルにとってはいい迷惑だ。井戸の中に入れられたのか落ちたのか、井戸にいることは、実はカエルにとってはどうでもいいことで、荘子が世間知らずなことを表現するために設定したことなんだろう。カエルにとっての生きる目的は、無論、ジャンプすることである。

であるからして、「されど天の高さを知る」の部分は、カエルのジャンプ、種の真骨頂を表現しているのであ〜る。

蛙はジャンプする。でも人間から見ると高さ30〜40cmくらいのジャンプだから、がんばって跳躍しても空どころか人間の肩にすら届かない。でも、天が空がチョー高いことを知っている。それこそがカエルの一生をかけて知る英知なんである。ロマンチック。

今日は七夕ですね。

(2004-07-07/K)




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