■快適な空の旅
この2ヶ月、旅行づいている私。
普段は馴染みの薄い、海外の航空会社のサービスを受ける機会に恵まれた。純粋に嬉しい。キレイな乗務員の方に優しくされたりすると。マレーシア航空は民族衣装のバティックを制服にしているので、異国情緒満点、ますます嬉しくなってしまう。
空港で見かけたブルネイ航空のスチュワーデスは制帽の上からベールの様な薄布を被っていて、エキゾチックな高級感を漂わせていた。さすが王様の国。
航空会社ではないが、香港で泊まったのはパンダホテル。中国と言えばパンダ、という安直なパンダづくし攻撃が、元少女のファンシー心を刺激してくれる。こういうのはわざとらしいぐらいがいい。私の様な平凡な人間は、やや誇張された異文化に触れる事によって、祖国の美点を再認識できるからだ。私たちだって知らしめたい、イヤと言う程。和の心を。日本の伝統文化を。
コテコテの観光臭が嫌いじゃない私と友人が考えたのは、「エアニンジャ」。お客様係は全員[くの一]。おしぼりは手裏剣の如く空中を舞い、正確にお客様のお手元に。忍び足で気配を感じさせないサービス。あくびを一つしたとたん、毛布がかかっているが姿は見えず、「あっ!」と上を見上げた少年に、人差し指を唇にあて、天井からにっこりと微笑む。救命胴衣の使用法の説明の代わりに、風呂敷を使用したムササビの術を伝授。お客様係の養成期間は5年。霊山に籠もり、高下駄に白衣で修験道の厳しい修行に励む(少しイメージがずれてきた)。
日本へ来る観光客は、「エアニンジャ」のカウンターに殺到する事請け合いだ。(K)氏はかつて、もしも億万長者になったら、「テレビ局を作りたい」とのたまったが、私はブルネイの王様みたいに大金持ちになったなら、航空会社を作りたい。
(2004-07-06/B)