棋譜と棋譜データ
 碁の対局を記録したものを棋譜といいます。
 対局を後で検討したり定石や手筋の研究をしたり囲碁の問題に応募したりなどするとき棋譜はなくてはならないものです。
 棋譜を活用すると囲碁の楽しみがぐーんと広がります。
 文書に棋譜を記載するときは着手番号を記した碁石を碁盤に表示することによって着手の手順を示します。
 石の抜き跡に着手した場合は碁盤の下または横に着手した位置に表示されている碁石の番号または碁盤の座標と着手に関するメモを記します。
 たとえば149手目の黒がの位置に着手して劫を取った場合は149]劫トリと碁盤の下または横に記録します。149[17四]劫トリのように座標で記録しても差し支えありません。置碁の置石のように着手番号がない石の位置に着手するときは座標または石の名前(右上星、下辺星など)と記録することになります。
 対局者名、対局場所、対局日時その他の手順以外の対局情報は碁盤の外に記します。
 棋譜を記録するための碁盤を示す罫線や対局情報記入用の欄などが印刷されている用紙を碁罫紙といいます。
 碁罫紙は日本棋院や関西棋院で売られていますが決められた書式はありませんから自分で印刷して使うこともできます。
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02├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤02
03├┼┼┼21┼┼┼┼┼┼┼┼┼22┼┼┼┤03
04├┼・┼┼┼┼┼26┼┼┼┼┼・┼┤04
05├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤05
06├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤06
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08├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤08
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11├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤11
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13├┼┼┼┼┼┼┼48┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤13
14├┼23374344464549┼┼┼┼┼┤14
15├41┼┼┼4239┼┼┼38┼┼┼┼141215┤15
16├402447312930┼┼2013┤16
17├┼┼┼┼5027283334161110┼┤17
18├┼┼┼┼┼32┼┼3635┼┼┼181719┼┤18
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 棋譜を碁罫紙に記録するときは黒番の着手番号を黒色または青色のペン、白番の着手番号を赤色のペンで書き込みます。
 ペンが2色ない場合はどちらか一方の石を丸囲みして区別できるようにします。
 棋譜はPCや電子手帳などの電子機器を使っても記録することができます。
 電子機器を使って棋譜を記録したり再生したりするソフトウエァのことを棋譜ソフトといい、棋譜ソフトによって記録されたデータのことを棋譜データといいます。
 棋譜データの形式にはSGF、NGF、GIB、UGF、UGI、IG1などなど沢山の種類がありますがインターネットで最も普及しているのはSGFデータで殆どの棋譜ソフトはSGFデータに対応しています。
 また新聞社(読売朝日毎日産経日経など)主催の棋戦(棋聖戦、名人戦、本因坊戦、十段戦、王座戦など)生中継はUGIデータで記録されていて生中継再生用ソフト(PandaEgg)は各社から提供されています。
 棋譜データは紙に記録した棋譜に比べて下記の利点があります。  紙に印刷された棋譜から対局の手順を再現するのは慣れないと至難の業です。
 しかし棋譜データを棋譜ソフトで読み込めばクリックすることで簡単に手順を進めたり戻したりすることができます。
 ためしに棋譜再生をクリックしてみてください。
 上図に示した棋譜の局面の碁盤が表示されるでしょう。この碁盤のをクリックすることにより手順を進めたり戻したりすることができます。
 ただし紙に印刷された棋譜を見ながら石を碁盤に置いて手順を再現すること(棋譜並べ)は面倒なようですが棋力の向上には大いに貢献します。
 また棋譜並べの速度は棋力が上がるにつれ向上します。