星々は歌う
bom Hovmey |
ハツカネズミが酒をつくった「ハンキリキリ」 ハンキリキリ ハンキリキリ わたしの鼻が 草に あたるたび わたしは ひっくりかえりながら 畑じゅう 歩いて 穀物を あつめてあつめて 私は お酒を つくったよ お酒が おいしくできあがったので わたしは お客さんを よんだよ カラスとカケスがあつまったよ 宴会は もりあがったよ 宴会の とちゅうで カケスが 外へ 出ていって どんぐりを くわえて 帰ってきたよ そのどんぐりを シントコのふちで ころころ ころがした それがますます 宴会を もりあげて 宴会が もりあがったよ カラスが それを みて 外へ 出たよ カラスが うんちのかたまりを くわえてきたよ シントコのふちで ころころころがしたよ すると それが シントコの中に おちたよ 宴会を だいなしにした お酒を だいなしにした おおげんかになったよ カラスが 首を しめられたよ そこで シギに しらせようと わたしは はしっていって シギに わたしが 話すと シギはこう言った おまえらは いいことがあると おれを忘れ 悪いことがあると おれをおもいだす と 言いながら おこっている あきらめて うちにかえると カラスはもうころされていたんだってさ |
HIq chenmoHta' qorvIt {HanqIrIqIrI} *HanqIrIqIrI, HanqIrIqIrI* magh ngeQDI' ghIchwIj jIpum 'ej jIpumqa' Du' HochDaq jIyIt tIr vIyIr 'ej vIyIrta' 'ej HIq vIchenmoHta'. HIq 'ey vIchenmoHta'mo' mebpu' vIrIt ghompu' notqa' parbIng je. ghunchoH lopno'vetlh qaStaHDI' lopno' juH Hur ghoS parbIng nebDaj lo'taHvIS naHlet qem. qegh HeHDaq naHletvetlh ronmoH. lopno' ghunmoH 'oH QaQqu'choH lopno' legh notqa' 'ej Hur ghoS nebDaj lo'taHvIS qeQ ngogh qem. qegh HeHDaq Dochvetlh ronmoH. ghIq qegh qoDDaq pum 'oH. {lopno' Qaw'} {HIq Qaw'} Solqu'choH chaH notqa' mong voQchoH parbIng vaj cha'naS ja'meH ghoSmeH jIqet cha'naSvaD vIjatlhmo', jang cha'naS; {qaSDI' wanI' QaQ jIH tulIj qaSDI' wanI' qab jIH tuqaw} jatlhtaHvIS QeH. jIlonpu' 'ej juHwIj vIcheghDI' notqa' HoHta'. |
<用語解説> | |
qorvIt | 齧歯類の一種(ここではハツカネズミ) (n) |
magh | 草 (n) |
neb | くちばし (n) |
qeQ | 大便、糞 (n) |
qegh | 酒樽(ここではシントコの代わり) (n) |
▼mughmeH mu'mey▼ ▼yuqar: 'aynu' ghuQ, bom joq. (An epic that has been transmitted among the Ainu race) ▼HanqIrIqIrI: ghogh'e' ghughbogh qorvIt. ▼naHlet: /acorn/ 'oSmeH lIw mu'. ▼アイヌのカムイユカラのひとつです。 この歌、話の筋が好きで(殺されるとは言えカラスが出てくるし)、4年ほど前から訳したくて、原文テキストだけ入力して寝かせていたのですが、この数年で「大便、糞」にあたるqeQなどが追加された事で、ついに翻訳可能になりました。 こちらのアニメ動画で元の歌を聴く事が出来ます。 ◆アイヌ民族文化財団「エトゥチケレ サケカラ」【アイヌ語音声日本語字幕】 サケへ(リフレイン)が心地よく、絵も可愛いのでぜひご覧ください(^^)/ 鳥の名前などは以下の通り代用しました。 notqa': 黒くて大きい鳥。 地球のレイヴンにあたる鳥ですが、ここではカラス(paskur)の代わり。 parbIng: 派手な色の中型の鳥。 ここではカケス(eyami)の代わり。 cha'naS: 土を掘って虫を食べる鳥。 ここではシギ(cipiyak)の代わり。 naHlet: 木の実、ナッツ、堅果。 ここではドングリ(nisew)の代わり。 茶月 2018.12.01 |
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