人間か、地球人か。 Earthlings, not Terrans. |
"Humans!" - General Martok, Star Trek: Deep Space Nine "What You Leave Behind" 「人間め!」 − マートク将軍、 スタートレック・DS9『終わりなきはじまり』 今まで、3名ほどの方から『ヴォイジャー・クルーリスト』の「人間」という表記を「地球人」にした方が良いんじゃないか、またはなぜ「地球人」じゃないのか、とメールを頂いたことがあります。 スタートレックの表現で気になるのが「地球人」の意味の "human" ですね。 吹き替えでは「地球人」の時と「人間」の時があります。(翻訳が適当なため) 一応原語でも、地球人を意味する "Earther", "Earthling", "Terran" があるんですが、ほとんどは "human" が使われています。 最初聞いたときはちょっと違和感を憶えたんですが、今では吹き替え版で「地球人」って訳されると「『人間』って訳してくれー」と思うようになりました。 しかし上述のように、逆に「人間」って訳に抵抗がある人も多いようです。 コレ、"human" は種族名、"Terran" は地球起源の人種、みたいな微妙な違いがあるんでしょうね。 忘れちゃいけないのは、スタートレックの世界では地球のクジラ類も知的生命体だと言うことです。 つまり "Earther", "Earthling", "Terran" だと人間とクジラの両方を指すのかもしれません。 日本語だと「地球人」と「人」という字が入るので噛み合わなくなっちゃいますが、英語の "-er"、"-an" には「人」に限定した意味はありませんからね。 「地球人」を「地球で生まれ育った人」だと定義した場合、ターシャやチャコティはそれぞれターカナ4号星人・ドーヴァン5号星人であって「地球人ではない」ってことになりますよね。 この辺が使い分けのポイントではないでしょうか。 クリンゴン(人)を「クロノス人」(Qo'noSan、とか)とは言わないという事と人間が「地球人」と名乗らないのは同じ事なのかもしれません。 「クリンゴン」は恐らく「人間」と同じで種族名なのでしょう。 クリンゴンっていえば、クリンゴン語でも「人間」= Human [フーマン] と「地球人」= tera'ngan [テラッンガン] の2つがちゃんとあります。 ミラーユニヴァース(鏡像世界)で人間イコール「テラン」と呼ばれてるのは、おそらくあっちの世界ではクジラ探査船の事件(映画「スタートレック4 故郷への長い道」)が起きていなくて、クジラ類が知性体だと認められていないために「Terran(地球の知性体)= Human(人間)」という図式が成り立つと考えられますが、いかがでしょう。 そうそう、「アイヌ」と「エスキモー」はどちらも彼らの言葉で「人間」って意味ですよね。 他の土地からきた人間に「お前たちは何という者だ」と聞かれて「人間だ」と答えたらそれが部族名のようにされてしまった、という・・・。 これと同じなのかもしれませんねー。 |
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