ミンタカまで何マイル? How many miles to Mintaka? |
TNG第52話『守護神伝説 "Who Watches The Watchers?"』に登場した、ミンタカ3号星。 いうまでもなく、「ミンタカ」という恒星の3番惑星です。 この惑星では、ヴァルカン人にそっくりの人種が原始文明を築いています。 このエピソードは、宗教と言う厄介な問題に踏み込んだテーマ、余韻の残るラスト、ピカードの最後のセリフ "Always..."、受け取った帯がその後のエピソードでもピカードのイスにかけられているという描写など、TNG全話の中でも特に好きな話です。 さて、恒星ミンタカ( Mintaka )の名前は、アラビア語で「巨人の帯」という意味の、アル・ミンタカ・アル・ジャウザ(Al Mintakah al Jauzah)が語源になっています。 そう、日本ではさほど知られてないみたいですが、実在の星なんです。 オリオン座のデルタ星で2等星、正位置で見たときに三ッ星の内の右側の星がミンタカです。 冬には東京でも見ることが出来ます。 私はもともと空を見るのが好きなんですが(昼夜問わず)、オリオン座が見える時期には、ついついこのミンタカを見上げて『今ごろ、ヌリアやリコたちの祖先が文明を築いているのかなあ…』なんて夢想してしまいます (^-^; TNG以降に登場する実在の星はウルフ359やミンタカ、シェリアク(シャリアック)、アカマル(アカマー)などがあります。 TOSでは一等星がよく出てきましたが、最近は地味なのが多いですね。 (そうそう、ウルトラマンの故郷、M78星雲もオリオン座に実在します) こんなふうに夜空を見る楽しみがあるので、もっと登場しても良いのに…と、思ってたんですが、ミンタカのことを思ってばかりいるあまり、気付かなくてもいい、余計な事に気付いてしまいました。 えー、ミンタカは地球からおよそ1500光年離れています。(以下、ピッタリ1500光年として計算します) これは、24世紀のエンタープライズDがワープ9で「まっすぐ飛び続けて」なんと 361日、ワープ9.6でも 286日 もかかる距離です。 すると、宇宙暦43173.5(2366年3月2日)にミンタカにいたエンタープライズDが、その 305日後 の 宇宙暦44001.4(2367年1月1日)(※『浮遊機械都市ボーグ・後編 "The Best of Both Worlds, Part II"』の時)に地球に帰って来れないはずだ、ということになっちゃうんです。 ワープ9.6なら間に合うように思えますが、第3シーズンの『守護神伝説』より後のエピソードの間、エンタープライズDはメンサー星人の罠にかかったりロミュランとの中立地帯やクリンゴンの母星クロノスに行ったり、どう考えても地球に向かって「まっすぐ飛び続けている」ようには見えませんよね。 スタートレック宇宙の星図を、細部に至るまで作り上げてしまった本 [ STAR TREK / STAR CHARTS ] では、ミンタカはちゃんと1500光年離れた距離にあります。 しかし、連邦の「既知の宇宙」を表した図では、ミンタカ、及び同じぐらい離れているシェリアクのところだけ不自然に飛び出した形になっちゃってます(笑)。 こんなツッコミを入れる、私のようなバカがいるために、あまり実在の星を登場させられないのかもしれません。 すいません(笑)。 そういえば、『浮遊機械都市ボーグ・後編 "The Best of Both Worlds, Part II"』の次のエピソード『戦士の休息 "Family"』のラストで、レネの見ている夜空にオリオン座が(もちろんミンタカも)見えています。 1500光年遠くにある、あの星からピカードは帰ってきたんだ…と言う事が判るという、ちょっとめずらしいシーンです。 |
☆あくまで私の所見です。
明らかな誤りなどあれば、お教えください。
もどる |