2008年 2月11日  「スクウェアピアノ


2007年9月17日の「男のコンサート」での映像の一部をアップした。もっと早く載せたかったのだが、データ入手に手間取り遅くなった。
見て分かる通り、このピアノは現代のピアノとは異なる、テーブル型のスクウェアピアノ。テーブルとしても使用可ということで、当時の一般家庭に普及したタイプで、量産されたわりには状態の良いものはほとんど残っていないらしい。いわば、廃れてしまったタイプとでも言うべきか、それ故に修理、修復してまで長く使うことがなく物置や屋根裏の片隅で埃をかぶりながら風化していったのかもしれない。

このピアノパッサージュに置いてあるスクウェアピアノは、ほぼオリジナルパーツで、しかも演奏可能という大変貴重かつ稀少価値のある一品で、博物館クラスと言うべきである。それで演奏させてもらうことは大変ありがたいことで、また、貴重な体験であった。

機能的に100%修復は難しいとのこと、細かいニュアンスを表現するのは無理な場合もあったが、それも現在のピアノと比較してのこと、「これは別の楽器なんだ」と思いながら演奏した。
むしろ、リストはこの楽器の音や機能をイメージしながら作曲、演奏していたのかも…と思うと、まさに感慨にふける瞬間となるのである。