上の写真は出発の前日、高所順応のために上がったエギュードミディから撮ったもの
モンブランはヨーロッパアルプスの最高峰なので
とにかく登山者が多い。一般ルートのグーテ小屋は
4月の予約開始日に、その夏の予約がすべて一杯
になるという。最近は予約なしでも、早く着けば受け
入れてくれるようだが、これが混雑に拍車をかける。
食堂の隅にでも横になれればいい方で、階段に腰
を掛けたまま眠れぬ一夜を過す人もいる。
今回、私はこのサイトで知り合った日本人ガイドの
津田博さんと登った。4月に予約してくれていたので
寝床は確保でき、ゆっくり休めた。
朝8時半シャモニ発のバスでレズーシュ。ロープ
ウェイと登山電車を乗り継いで、モンブラン登山の
スタート地点ニーデーグル(2372m)へ。
ここまで来るとビオナッセイ氷河を抱いたモンブラン
山群の一角が望める。上の写真は帰りに撮ったもの。
ニーデーグル10時半発。初めは緩やかな登りだが、
少しずつ急になってきて、雪を見るようになる。
急な斜面を登り切ると、テートルース小屋。昼も大分
過ぎたので、昼食を取る。 ここでアンザイレンして左
の写真の雪道を行く。この先の岩の小尾根を越した所
が、大クーロワール。落石が多く、何度も事故が起って
いる。雪道を足早にトラバースする。この後は岩稜の
登りとなる。かなり急だがホールドスタンスはしっかり
しているので、問題はない。しかし、富士山の標高に
なってくると、さすがに息苦しい。
午後4時45分グーテ小屋(3817m)着。昼食の時間を
差し引いても、6時間近くかかってしまった。
夕食後は早めに寝る。小屋が混んでいるので
午前1時ころからザワザワして、もう寝られない。
外は一面の星空。天気は間違いないようだ。
小屋の決まりは2時起床の後に朝食。3時15分
アイゼンを着け、ザイルを結んで出発。
小屋の裏手から、雪の斜面を登ると、ドームデ
グーテの斜面を登る、夥しい数の登山者のランプ
が、上まで続いている。
ドームデグーテを登った後、少し緩やかに下り、
さらに登るとヴァロ小屋。ガイドはここで半分だと
言った。未だ6時前。夜は明けていない。
ヴァロ小屋から少し登った所で、日の出を迎え、
モンブラン山頂が赤く染まる。(右の写真)
さらに登って、頂上が近くなると、尾根がやせて
くる。シャモニから見るモンブランはなだらかで、
頂上付近は稜線漫歩と思っていたが、大間違い。
平均台を行くようなナイフリッジがかなり続く。
午前8時15分モンブラン山頂。グーテ小屋から
ちょうど5時間である。標高4807m、高度の影響
をかなり受けているようだ。それも一般的な頭痛
や吐き気ではなく、意識が朦朧とした感じだった。
かなり心配だったが、気を取り直して、写真を撮
った後、下山にかかるとウソのように良くなった。
グーテ小屋でゆっくり食事をして、午後2時前に
小屋を辞し、午後5時過ぎ、
ニーデーグルに着いた。