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平成15年度
書道甲(3年生用) 8単位 5・6セメスター 〔講義目的〕 書の古典を深く鑑賞し臨書するとともに、書写書道および漢字・仮名文字に対する理解を深める。書道の基本から専門的な実技演習をめざす。 今年度5・6セメスター(3年生)の実技は、篆書・隷書・仮名の古典研究を徹底して行う。篆書は甲骨文字・金文・大篆・小篆など幅広く学習し、漢字の字源についての知識も深める。隷書については、漢碑・木簡などの様相を異にする様々な名品を学ぶ。仮名は、平安時代中後期の古筆を中心に徹底臨書し、変体仮名の読み書き能力を確実につける。また、平仮名、片仮名、漢字仮名交じり書、硬筆の学習なども適宜おりまぜ、幅広い応用技術を身に付ける。あわせて、条幅、色紙、短冊等の作品の創作を行い、個性ある創造性豊かな書を主体的に制作し、最後に書道展を開催する。硬筆・毛筆の各種「書写検定」1級または2級の資格取得を目標とし、教育書道・実務書道の力をつける。実技上達の秘訣は、毎日筆を持つことである。日常の家庭学習を宿題とする。 書道用具一式が必要。仮名学習には仮名専用の紙と筆を使用する。 〔授業計画〕 (1) 篆書の研究とその方法 (2) 金文の研究@小臣艅犧尊 (3) A令キ 召尊 大盂鼎 (4) B史頌キ 散氏盤 毛公鼎 (5) 楚竹簡の研究 (6) 大篆の研究 周・石鼓文 (7) 小篆の研究 秦・泰山刻石 (8) 隷書の研究とその方法 (9) 漢簡の研究 (10) 古隷の研究@莱子侯刻石 (11) A開通褒斜道刻石 (12) B石門頌 (13) 八分隷の研究@乙瑛碑 (14) A礼器碑 曹全碑 (15) まとめ・作品提出 (16) 仮名の研究とその方法(仮名半紙) (17) 高野切第一種@連綿の学習 (18) A(短冊) (19) 継色紙 散らし書きの学習 (20) 寸松庵色紙 余白の美(色紙) (21) 関戸本古今集 (22) 曼殊院本古今集 (23) 大字和漢朗詠集切 針切 (24) 升色紙 小島切 香紙切 (25) 石山切伊勢集 貫之集下 (26) 本阿弥切古今集 流動美(かな条幅) (27) 仮名の創作@(かな条幅) (28) A(短冊) (29) B(色紙) (30) まとめ・作品提出 〔評価方法〕 毎時間の学習作品、夏休み・冬休み(書き初め)・春休み・通常の家庭学習(宿題)の作品、レポートなどにより総合的に評価する。出席も重視する。 〔教科書〕 「書道技法講座」39『泰山・瑯邪台刻石』・「書道技法講座」47『西嶽華山廟碑』・「かなのレッスン」5〔臨書編〕(二玄社) 〔参考書〕 『五体字類』(西東書房) 『新書道字典』(二玄社) 『書道字典』(角川書店) 『かな字典』(二玄社) その他、各種法帖、書道辞典、墨場辞典などの資料 〔備考〕 5・6・7・8セメスターを履修して8単位とする。 書道甲(4年生用) 8単位 7・8セメスター 〔講義目的〕 書の古典を深く鑑賞し臨書するとともに、書の歴史と文化に対する理解を深める。専門的な技術を磨き、書道の高度な実技演習をめざす。 今年度7.8セメスター(4年生)の実技は、行書・草書・楷書の古典研究を徹底して行う。行書は顔真卿の『三稿』を、草書は唐の孫過庭の『書譜』を、楷書は虞世南の『孔子廟堂碑』・北魏の『張猛龍碑』を研究課題とし、行草書・楷書・漢字仮名交じり書による創作作品を制作する力を養い、最後に書道展を開催する。また、現代生活に活きる書のあり方、文房四宝などの用具用材、書の活動に関する様々な知識や内容を理解し、書をめぐる環境についてさぐる。さらに、美術館、博物館、あるいは書道展にも積極的に足を運ぶことで、会場芸術としての書作品や、条幅、扁額、帖、巻子、屏風、色紙、短冊、扇面等、日常生活の中の書を見る眼、鑑賞する能力を養ってほしい。硬筆・毛筆の各種「書写検定」1級の資格取得を目標とし、教育書道・実務書道の力をつける。日常の家庭学習を宿題とする。 書道用具一式が必要。 〔授業計画〕 (1) 行書の研究とその方法 (2)王羲之の行書@蘭亭叙 集字聖教序 (3) A興福寺断碑 喪乱帖 (4)唐太宗の行書 晋祠銘 温泉銘 (5)顔真卿の行書 争坐位稿 祭姪文稿 (6)行書の創作@(五言絶句を書く) (7) A( 〃 ) (8)草書の研究とその方法(半紙) (9)王羲之の草書 十七帖 遠宦帖 (10)王献之中秋帖 智永千字文 (11)孫過庭書譜 懐素自叙帖 (12)懐素千字文 王鐸 (13)行草書の創作@(七言絶句を書く) (14) A( 〃 ) (15)まとめ・作品提出 (16)楷書の研究とその方法 (17)唐代楷書@九成宮醴泉銘、皇甫誕碑 (18) A孔子廟堂碑、孟法師碑 (19) B雁塔聖教序、顔勤礼碑 (20)六朝楷書@始平公造像記、孫秋生造像記 (21) A張猛龍碑、高貞碑 (22) B鄭羲下碑、張玄墓誌銘 (23)楷書の創作@(五言絶句を書く) (24) A(七言絶句を書く) (25) B(扁額を書く) (26)漢字仮名交じりの書@(色紙) (27) A(短冊) (28) B(条幅) (29) C(条幅) (30)まとめと提出 〔評価方法〕 毎時間の学習作品及び創作作品、並びに夏休み・冬休み(書き初め)・通常の家庭学習の作品(宿題)、レポートなどにより総合的に評価する。出席も重視する。 〔教科書〕 「中国法書選」41『祭姪文稿・祭伯文稿・争坐位文稿』・38『書譜』・32『孔子廟堂碑』・23『張猛龍碑』(二玄社) 〔参考書〕 『五体字類』(西東書房) 『新書道字典』(二玄社) 『書道字典』(角川書店) 『唐楷書字典』(二玄社) その他、各種法帖、書道辞典、墨場辞典などの資料 〔備考〕 5・6・7・8セメスターを履修して8単位とする。 書道史1 2単位 5セメスター 〔講義目的〕 日常私たちが読み書きしている文字は、古く中国で生まれ変化発達してきたものである。そして、中国からわが国に文字が大量に伝わってきた6世紀のはじめには、すでに中国では楷書、行書、草書などの書体はすべて完成していた。日本の書道は中国の書道の影響を受けながら発達してきたことは言うまでもない。中国書法を受容消化しながら独自の書風を築いてきたし、これらの漢字から平仮名、片仮名が生まれた。中国書道史では、漢字の誕生とその起源から甲骨文字、金文、篆書、隷書、草書、行書、楷書などの書体の変遷を中心に各時代の書体書風の特徴をさぐる。日本書道史では、中国から漢字が移入した後の金石文字、かな文字の生成と発展、和様および唐様の書の流れ、現代書道の様相について考察することで、書体書風の変遷と主要な書作品を把握する。 本講では、中国および日本の書の名跡名品を鑑賞し、書道史資料を読む。文字書体の発生からその完成までの変遷の様子や、各時代、地域、民族性などの違いによる書風の特徴を見出してもらいたい。そのためには、常日頃から書道の名跡名品に興味を持ち、様々な書体書風の文字に見慣れることが大切である。毎時間、各自の考えを論述形式でまとめながら、日常私たちが筆記する文字の源流と書体変遷の歴史をさぐり、書の文化、文字の文化について考える。 〔授業計画〕 (1) 書道史時代区分 書体 書風 (2) 甲骨文 殷代 漢字の誕生 (3) 金文 周代青銅器銘文 (4) 篆書 秦代刻石 漢代鉥印 (5) 隷書 漢碑と木簡 (6) 草書 残紙と尺牘 (7) 行書 王羲之の名品 (8) 楷書 魏晋から唐代 (9) 中国宋代以降の書 (10) 日本書道史 漢字の移入 金石文字 (11) 写経 (12) 三筆三蹟 (13) かなの発生と展開 古筆 料紙 (14) 和様の書 書流の展開 (15) 唐様の書 墨跡 明清書風 〔評価方法〕 各自オリジナルの「書道史年表」を製作提出することと、毎時間の論述、小テストなどにより評価する。 〔教科書〕 『書法の美』相川政行監修(二玄社) 〔参考書〕 『中国書道史年表』玉村霽山編 『日本書道史年表』名児耶明編(二玄社) 書の基本資料3『中国の書の歴史』・4『日本の書の歴史』(中教出版) 『明解書道史』加藤達成・小名木康佑著 (日本習字普及協会) その他、「中国書道史」「日本書道史」に関する各種関連図書資料を授業中に示す。 書道史2 2単位 6セメスター 〔講義目的〕 書学、書道史的な研究を深く行う。書道の歴史は書体書風の変遷ばかりではない。名跡名品と呼ばれる書の古典には、それをうまく書いたということで有名な能書家が数多く存在する。中国では漢の張芝、魏の鍾繇、東晋の王羲之・王献之、初唐の三大家の虞世南・欧陽詢・褚遂良、中唐の張旭・顔真卿・懐素、日本では平安の三筆の空海・嵯峨天皇・橘逸勢、三蹟の小野道風・藤原佐理・藤原行成などが有名である。この他にも数え上げれば枚挙にいとまがない。 今年度は北宋時代、日本は平安時代中・後期の書家を中心にとりあげる。「書人伝」を読みながら、能書家といわれる人達の作品を深く探求し、伝記資料や参考図書等を調べることで、各人の書風が成り立った学書の環境、時代性、民族性、地域性など、背景となったものが何であるのかを考求する。 平凡社『書道全集』の「書人伝」を輪読するので、漢和辞典を携行すること。 〔授業計画〕 (1) 研究資料紹介・能書家の研究について (2) 中国書人伝@黄庭堅 章惇 (3) A米芾 薛紹彭 (4) B蔡京 黄伯思 (5) C趙明誠 宋徽宗 (6) D呉説 米友仁 (7) E王升 宋高宗 (8) F陸游 范成大 (9) 日本書人伝@源重之 具平親王 (10) A紫式部 源延幹 (11) B藤原道長 藤原行成 (12) C藤原佐理女 藤原公任 (13) D藤原定頼 藤原行経 (14) E藤原頼通 源兼行 (15) F藤原忠家 藤原伊房 〔評価方法〕 毎時間の発表、レポートなどの提出物により評価する。出席も重視する。 〔教科書〕 「書人伝」のプリントを配布する。 〔参考書〕 『書道全集』・『中国書道全集』(平凡社) 『書学大系研究篇3 書人小伝』・『日本書学大系研究篇3 日本書人小伝』(同朋舎) 『日本書蹟大鑑』(講談社) 『書の日本史』(平凡社)『中国書道史年表』玉村霽山編・『日本書道史年表』名児耶明編(二玄社)など その他、「書道全集」「書道辞典」「書道史」「人名辞典」「歴史地図」など各種関連図書資料。 書論・鑑賞 2単位 6セメスター 〔講義目的〕 書道は単に実技を取り扱う活動ではない。書の理論を理解し、鑑賞する眼を養ってはじめて書の表現に活かされるものである。さて、書論と一口に言っても、その内容は、文字学、書体論、書学、書法論、書品、書評、書家伝、鑑識、題跋、篆刻学など多岐にわたる。これらの書論を読むことで、書の理論と鑑賞、書の精神と学び方などについて考察することができる。 昨年度に引き続き、江戸時代中期の儒学者、書家である澤田東江(1732〜1796)の書論『東江先生書話』を読む。『東江先生書話』は、書法、書式、書跡、書道史、能書家、文房四宝、書の哲学などに関する諸説、逸話、故事が集められている。澤田東江は、当時流行していた趙孟頫、文徴明、董其昌などの唐様書風や、御家流などの和様の流儀書道を廃し、王羲之を宗として晋唐時代の古法に溯るべきことを唱えた。さらに、実技主体の手習いだけでなく、法帖碑本を多く見、かつ古人の書論をも広く読むことが必要であるとした。書道を一つの学問としてとらえ、書の本質を時流の趨勢にとらわれることなく常に王羲之を範とする態度をとったと言えよう。『東江先生書話』を読むことで、生活の中の書への関心、書の美の追求、書の歴史と伝統文化について大いに理解を深めてもらいたい。 テキストを輪読するので、古語辞典と漢和辞典を各一冊携行すること。 〔授業計画〕 (1) 澤田東江と江戸時代の書 (2) 東江先生書話@徐子仁が髯拂子に作りし話 (3) A宗楚客名筆を集て屏風に張し話 (4) B墨本を作りし始りの話 (5) C懐素自叙帖の話 (6) D一字値千金といふ話 (7) E趙子固蘭亭帖へ八字を題せし話 (8) F鍾繇尚書宣示帖由来の話 (9) G大王書楽毅論伝来の話 (10) H一日に三万字を写す話 (11) I王羲之洗硯池并に蘭亭故跡の話 (12) J康マ恵式羲献の書を贋する話 (13) K代書人并に右軍といふ話 (14) L梁の元帝三品の筆を定め玉ふ話 (15) まとめ 〔評価方法〕 毎時間の発表、レポートなどの提出物により評価する。出席も重視する。 〔教科書〕 プリント配布。 〔参考書〕 『中国書道辞典』 中西慶爾編 (木耳社) 『日本書道辞典』 小松茂美編 (二玄社) 『書道基本用語詞典』(中教出版) その他、各種関連図書資料を授業中に示す。 国語2 2単位 5・6セメスター 〔講義目的〕 書写は国語教科の一領域である。平成14年度から新しい小学校学習指導要領(国語)が実施されている。その中で、書写の指導は[言語事項]の中に位置付けられ、書写に関する事項として、小学1、2年生では、(ア)姿勢や用具の持ち方(イ)点画の長短、接し方や交わり方、筆順。3、4年生では、(ア)文字の組立て方、文字の形(イ)文字の大きさや配列(ウ)毛筆を使用しての点画の筆使いや文字の組立て方。5、6年生では、(ア)文字の形、大きさ、配列(イ)(3・4年生の(ウ)に同じ)(ウ)毛筆を使用しての字配り。などの学習が盛り込まれている。 内容の取り扱いとして、「毛筆を使用する書写の指導は、第3学年以上の各学年で行い、硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導し、文字を正しく整えて書くことができるようにすること。また、毛筆を使用する書写の指導に配当する授業時数は、各学年年間30単位時間程度とすること。なお、硬筆についても、毛筆との関連を図りながら、特に取り上げて指導するよう配慮すること。」と付記されている。 まず、毛筆硬筆を問わず手書きで文字を筆写するのであるから、印刷活字と手書き文字の相違について理解をしたい。また、書写の時間を単に実技本位の「お習字」で終わらせることなく、書写の教材を通じて文字について言葉について生徒に考えさせることの工夫も必要であろう。文字に対する知識や理解を深め、古来から言葉や文章を書き表してきた我が国の手書きの文化についても考える。小学校教員をめざす者には、是非履修してもらいたい。 書写実技として、毛筆、硬筆、板書の実習、平仮名、片仮名、漢字の書き方と指導法を学習する。 書道用具一式と「こくご8マスノート」を用意すること。 〔授業計画〕 (1) 書写について 印刷活字と手書き文字 (2) 小学校学習指導要領(国語科書写)の内容と書写の指導 (3) 用具の扱い方 教材や教具の工夫 (4) 文字の字源、筆順、部首などの基礎知識 (5) 書写教育の歴史 (6) 姿勢、執筆の指導 ひらがなの指導 (7) 基本点画 カタカナの指導 (8) 字形の指導 漢字の指導 (9) 字配りの指導 (10) 漢字かな交じり文の指導 (11) 実用書式の研究 (12) 書初めの学習 板書の実習 (13) 書写指導案の作成 (14) 添削と評価 (15) まとめと提出 〔評価方法〕 毎時の実技作品(硬筆・毛筆)、レポート、発表等により評価する。 〔教科書〕 『書写指導 小学校編』 全国大学書写書道教育学会編 (萱原書房) 小学校「書写」の教科書 1年〜6年 (東京書籍) 〔参考書〕 『文字の書き方』(講談社学術文庫) 『書写指導のポイントQ&A』(教育出版) 『文字の書き方字典』(木耳社) 『筆順のすべて』(日本習字普及協会) その他各種関連図書資料を授業中に示す。 〔備考〕 5セメ(大池)6セメ(奥野)を履修して2単位とする。 書道科教育法 4単位 3・4セメスター 〔講義目的〕 書道は、中学校においては国語教科の中の「書写」として位置付けられているが、高等学校においては芸術科目の一つ「書道」として国語科から独立した領域となっている。文章等の理解表現のために文字を正しく整えて書くという書写活動であると同時に、「書」そのものを純粋な芸術として扱うことを目的としていると考えてよい。「音楽」「美術」「工芸」とともに芸術科目の一つであり、芸術性や書の美の追求を目的とする内容を重視した科目として、書道をいかに教授するか、その理論と実践について述べる。このほど発表された高等学校の新しい学習指導要領は、平成15年度から学年進行で実施される。この中で大きく変ったのは、「漢字仮名交じり書」が前面に打ち出されたことである。生活の中の書であり、実用性と芸術性との両面を持ち合わせた近代的で新しい分野として「漢字仮名交じり書」の学習は書道Tでは必修となっている。もう一つは、「漢字の書」(篆刻を含む)・「仮名の書」いずれかを選択して取り扱うことができるようになったことなどである。生徒の特性、地域や学校の実態に応じて柔軟に対応できるようになった。 後半は模擬授業による実践を各自行う。学習指導案の作成から指導計画、授業の準備、授業の展開、板書、添削、批正、作品評価、成績評価までを体験する。毎時間、書道用具一式が必要。 〔授業計画〕 (1) 高等学校書道免許状取得のために (2) 高等学校学習指導要領(書道)の内容 (3) 用具、用材、教室など学習環境の整備 (4) 臨書と創作 (5) 授業の年間計画、学習指導案の作成 (6) 漢字仮名交じり書の学習と指導 (7) 漢字の書の学習と指導@(楷書) (8) A(行書) (9) B(草書) (10) C(隷書) (11) D(篆書) (12) 仮名の書の学習と指導 (13) 篆刻・刻字の学習と指導 (14) 硬筆の学習と指導 (15) 書論・書道史等の学習と指導 (16) 模擬授業@ (17) A (18) B (19) C (20) D (21) E (22) F (23) G (24) H (25) I (26) J (27) K (28) L (29) M (30) 書道の教育者としての自覚と抱負 〔評価方法〕 各種レポート、学習過程評価表等の提出物、模擬授業への姿勢などによる。出席も重視する。 〔教科書〕 『書道T・U・V』(東京書籍) 『書道T 教授資料』(東京書籍) 〔参考書〕 『高等学校学習指導要領解説 芸術(音楽 美術 工芸 書道)編 音楽編 美術編』 文部省 (東洋館出版社) 『書教育の理想』 杉岡華邨著 (二玄社) 『書写指導 中学校編』 全国大学書写書道教育学会編 (萱原書房) その他各種関連図書資料を授業中に示す。 総合演習 2単位 3・4セメスター 〔講義目的〕 新学習指導要領は、小・中学校については平成14度から全面実施、高等学校については平成15年度から学年進行で実施され、その中で新たに「総合的な学習の時間」が加えられた。ゆとりの中で一人ひとりの子供たちに「生きる力」を育むことを基本的なねらいとした時間である。児童生徒自身が主役となり、学習計画、課題の設定、研究発表など、体験的な学習、問題解決的な学習活動を行い、自ら学び自ら考える力を育成するものである。 この「総合的な学習の時間」には、「国際理解」、「情報」、「環境」、「福祉、健康」などのテーマが提示されているが、本講では、東洋の芸術であり伝統文化の一つである「書道」を取り扱う。というのも、近年ワープロやパソコン等の普及により、印刷物同様の活字印刷による書類が家庭でもオフィスでも容易に作成することができるようになった。手書きによる文字が必要でなくなったかのように感じられるが、このような時代だからこそ手書きの文字に魅力を感じるべきであろう。手書き文字の持つ意味を考えながら、書が語るものが何であるのかを取り上げてみたい。特に学校では、書写書道といった科目が実技本位の手習いの時間に終わってしまうのではなく、文字や言葉、書の歴史や文化にも興味や関心を持つことが必要となろう。そういった意味においても、「総合的な学習の時間」に書写書道に関する問題解決的な学習活動を取り入れることは大いに可能である。 手書きによる文字表現が果たしている役割について、「書道」をとりまく様々なテーマを各自が設定し、様々な角度から研究し発表するといった活動をしながら、授業を展開する上で必要な教授技術並びに知識の習得を演習形式で行う。 なお、本講では、「総合的な学習の時間」の趣旨に基づき、テキスト(教科書)は使用しない。つまり、図書館・資料館・博物館施設などの図書資料から、新聞・雑誌に至るあらゆる参考文献がテキストである。また、レポート・小論文の提出をEメールで行ったり、ホームページから資料の収集を行ったりもするので、パソコンの使い方も各自習得しておくこと。 〔授業計画〕 (1) 自ら学び自ら考える力 (2) 手書き文字の魅力 文字をとりまく環境 書が語るもの (3) 名札を作ろう 案内状の作成 (4) 研究テーマの設定 学習計画と見通し (5) 資料や情報の収集 調査 体験 実験 整理 活用 編集 (6) 発表方法の検討と研究 (7) 中間発表会 計画の見直し 助言と指導 (8) 再調査 再研究 毛筆を使ったポスターの作成 (9) 発表方法の決定 発表の準備 (10) 発表会@ (11) A (12) B (13) C (14) D (15) 意見交換 討論 反省会 評価 まとめと学習記録の提出 〔評価方法〕 各種レポート、小論文等の提出物、研究発表に対する態度、出席などによる総合評価に加えて、相互評価、自己評価なども考慮に入れてはどうか。皆で話し合って決めたい。 〔参考書〕 各種関連図書資料を授業中に示す。
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