空の欠片/4


   断片16:ダガー
「そう…、よかったわね」
 おねえちゃんは、静かに微笑んで言った。
 うん。
 楽しい事ばかりでは、なかったけれど。だって、ボクらを憎んでる人や、襲撃の傷に苦しんでる人がいなくなったわけじゃないから。
 ボクらが今度の留学で仲良くなれた人は、リンドブルムに住んでいる人達の、ほんの一部の人達だ。
 今はまるっきり復興作業中のブルメシアとも、落ち着いたら交流したいと思ってるけど…きっと、リンドブルム以上の反発があると思う。
「そうね。このアレクサンドリアも、リンドブルムやブルメシアに復興援助は行っているけど、それで犯した罪が消えるわけじゃない…世論の抵抗もあるわ」
 久しぶりに会ったおねえちゃんは、少しやせたみたいだ。
 エーコの評判と同じく、おねえちゃんの話も聞こえてきた。善政をしいて、国交回復や都市の復興に、力を尽くしてるって。
 エーコ以上に忙しいんだろう事は、噂だけで分かった。
 金の糸で刺繍してあるドレスを着て、すっと背筋を伸ばしてボクを見るおねえちゃんは、急に大人になっちゃったように見える。けど、床をすべるそのドレスのすそが、ほんの少し重そうだった。
「それでも、仲良く交流できるようになるまで、頑張りましょう」
 おねえちゃんはそう言って笑う。『胸をはって会える、自分でいられるように』。
 その後、しばらく皆の近況について話した。
 スタイナーのおじちゃんは、相変わらず元気にしてる。クイナも、料理長としてアレクサンドリア城で働いてる。帰りにでも会っていくといいって、おねえちゃんは言った。
 エーコがとにかく元気だって事は、ボクが保証した。皆に会いたがってたよって言ったら、おねえちゃんは嬉しそうだった。
 フライヤの事は、2人とも噂と手紙でしか知らない。経緯は知らないけど、今はフラットレイさんと一緒にいると言う事。ブルメシアの復興に携わっていると言う事。…何にしても、フラットレイさんと一緒にいるなら、元気なんだろうと思う。パックはまだブルメシアには帰っていないのかなあ?
 サラマンダーは、2人とも行方を知らない。イーファの樹で別れて以来、何をしているのかさっぱりだ。マダイン・サリにいるラニが何か知ってるみたいだけど、教えてくれないし。ただ、少なくとも賞金首サラマンダーが捕まったと言う噂だけは聞かない。
 たった一人、ジタンの話だけは、しなかった。もし誰かがジタンの行方を知っていたら、真っ先に連絡を取り合うに決まっているんだから。それがなかったと言う事は、お互いまだ知らないんだ。
 ジタンがイーファの樹から脱出したら、必ずおねえちゃんに会いに来るはず。なのに。おねえちゃんは待ってるのに。ジタンが帰ってくる場所を守って、待ってるのに。ジタンは、まだ帰ってこない。
 でも、イーファの樹は、まだ活動を止めていない。
 何となく落ちた沈黙を破るようにして、おねえちゃんは、
「これ、約束してたものよ」
そう言って、ボクにいくつかの報告書をくれた。
 一つは、ものすごく分厚い紙の束で、きれいな活字が並んでいた。表紙のサインから、クジャの作った「黒魔道士の製造法」のレポ−トだと分かった。
 他の報告書は、ひどくくせのある字で書かれた報告書。サインは、ゾーンとソーンになっている。何度かに分けて報告された、「黒魔道士の量産法」と「黒魔道士の改造経過」のレポートだ。
 どちらも「機密書類」のはんこが押してある。ブラネ女王が直々に保管していたんだ。だから、黒魔道士の製造が停止した今でも保管されて、こうして今ボクの手に渡ることになった。
 これからの研究のために必要な資料。
 今日寄ったのは、この資料をもらうためだった。
「私が持っていても仕方ないものだから。役に立つと、いいんだけど…」
 ううん、すごく助かる。これがあれば、きっと…。
 おねえちゃんは、ほっとした顔をして、言った。
「他にも、何か出来る事があったら言ってね」
 うん。ありがとう。
 お礼を言いながら、不思議な気持ちがした。あんなに大嫌いだったブラネ女王。あの人の遺した物が、今ボクらにとって必要な事を教えてくれる。それはあの人が考えもしなかった事だとしても、ボクはそのめぐり合わせに感謝したい気持ちになった。
 奇妙な気分でその紙の束を見つめていると、ベアトリクスさんが、面会時間の終了を報せに入ってきた。
「ごめんなさいね、あまりゆっくり話せなくて」
 ううん。忙しいんでしょう。…頑張ってね。
「ええ。ビビもね」
 ボクは頷いて、部屋を出た。
 今出来る事を、頑張ろう。
 ボクは船で待ってる皆のところへ戻って、そして村へ帰った。
 新しい黒魔道士の子供達が生まれたのは、それから1ヶ月半後のこと。

   断片17:子供達
 ボクは、少しだけエーコに嘘をついた。
 『研究は、うまく行きそうなの?』と言う質問の答。
 実際、子供達を生み出すことは、あの時点でほとんど出来るって分かってた。
 リンドブルムでの研究は、ボクらの望んだ以上の事を教えてくれた。
 特に、“霧”の代わりになる物質についての研究は、とても進んでいた。海を飛空挺で渡るために開発された、持ち運びの出来る固形の合成物質や、人体に害のない液体。いずれも霧機関を動かす事は出来ても、それを生成するための手間がかかりすぎて、実用出来るようになる前に、その役目を蒸気機関に奪われてしまったけれど。
 リンドブルムでは無駄になった研究でも、手間を惜しむ必要のないボクらにとっては、すごく嬉しいものだった。
 ボクらは村に帰ってからまず、リンドブルムで得た知識のうち、簡単に理解できて、しかも研究のために重要だと思った部分を、村に残っていた皆に教えた。研究の中心に立ったのは、独学でもボクら以上の知識を持ってるミコトと、留学してきたメンバー。ちなみに192号さんも、この研究での中心にたった。実は黒魔道士の作り方の一部に、合成の技術が使われていたから、彼は一人だけ合成の修行に行ける事になったんだ。
 そしてその間に操船組は、デザートエンプレスに残っていた資料や、実験施設・インビンシブルに残っていたテラの書物。そう言うものを全部集めてきた。
 全て集まると、おねえちゃんにもらったレポートも合わせて、リンドブルムで研究されていた代替物質のうちで、どれが一番黒魔道士を生み出すのにあっているかを検討した。
 それらはいずれも、黒魔道士を生み出すための条件を全て備えていたわけではないけれど。
「足りないところは、ジェノムの製造技術で補えるわ」
 ミコトはそう言いきった。
 黒魔道士の作り方はジェノムのそれを基本にしてるから、部分的に組み込むのも可能だからって。
 次に、寿命の問題。能力のバランスや、原料の濃縮法や。様々なところから、なるべく寿命が延びるようにした。
 それから、…ダリ村にあった機械のことなんだけど。
 クジャのレポートによると、黒魔道士は本来人の手で魔法を込めて“霧”を凝らせてつくる。けど、手軽に量産するために人手の代わりに開発されたのが、あのダリ村にあった機械だった。
 もちろん、本来人手を使うところを機械で代理させるわけだから、量産型は耐久性に欠ける…つまり、寿命が短い。
 ボク達は、機械は使わず、自分達の手で子供達を作り出そうと決めた。寿命のこともあったけど、ボク達が生み出したいのは、道具じゃなくて生命なんだから。一人一人、心をこめて魔法をかけようって。
 そして。既にいる黒魔道士とここまで離れたものにしてもいいものか、皆悩んだんだけど。
 成長、するようにした。これも、ジェノム製造の技術から。
 ジェノムは、本来は成長するように作られた体だ。テラの民の魂を受け入れるまでは、時が止まっているように設定されているだけ。それを、黒魔道士の作り方に取り入れた。
 結果、生まれる子供達は、黒魔道士とジェノムのハーフのような存在になるけど、皆その方がいいと言った。だって、手がけたのが黒魔道士とジェノムの両方なんだから、って。
 ただ、色んな所から手を加えたから、生まれる子供達がどれほど黒魔道士と違っているか、どれくらいジェノム達と同じか、…寿命はどれくらいで、どのくらいの早さで成長するのか。それは、実際に生まれてからでないと分からないと言う事になった。
 そうして、初めて黒魔道士の村生まれた子供達は、6人。全員無事、五体満足で生まれてきた。子供達は、エーコくらいの歳で生まれてきたんだけど、まだ何も分からずにきょろきょろする姿が可愛かった。
 皆が世話をしたがったけど、
「彼らをつくる事を提案したのはビビなんだから、まずビビが彼らの親になるべきだわ」
というミコトの言葉で、ボクが彼らの親として、主に世話をさせてもらえることになった。
 今のところ、村中に可愛がられて元気に育っている。成長の速度は、普通の人間より倍くらい早い。けれど、寿命はどれくらいか、正直見当もつかない。ただ、医学の知識があるミコトは、
「少なくともあなた達の今の寿命よりは数倍生きられるはずよ」
と答えた。
 見かけは黒魔道士そっくりだけど、能力のバランスは6人バラバラ。皆黒魔法は使えるけど、中には黒魔道士より戦士の方が向いてそうなくらいの子もいる。でも、例えいつか黒魔道士以外の職業につきたいといっても、彼らの好きにさせるつもりだ。
 重要なのは、彼らがボクらの記憶を受け継いで、世界には楽しい事が一杯あるんだと言う事を知って、ボクらの知らなかった世界をたくさんたくさん見て来てくれる事。それが出来る子供達を、ボクらは育てようと思った。
 子供達に、ボクが今まで生きてきてどんな出来事に出会ってきたか、村の外はどんな世界なのかを毎日話して聞かせながら思う。子供達は、村の皆が戸惑うくらい好奇心いっぱいで、何に対しても物怖じしない。彼らなら、きっと強く生きていくだろう。
 たとえ、ボクら元の黒魔道士達が皆いなくなってしまっても。
 ボクは、少しだけエーコに嘘をついた。
 『研究は、うまく行きそうなの?』と言う質問の答。
 子供達の方はうまく行ったけど、延命の方法が見つかるかどうかは、あの時点ではあまり見とおしは立っていなかった。
 子供達が生まれてからも、皆でずっと研究を続けてるけど、今もそれは変わらない。
 ただ、絶対不可能と言う答も出ていないけれど。

   断片18:時間
 最近は、研究機材を買いリンドブルムへ行ったり、資料を調べにダゲレオへ行ったり、船を出す事が増えてきている。留学してきた人達は勿論、彼らから話を聞いて外へ出てみようという気になった人達も皆、外の世界へ出かける事に抵抗がなくなってきているんだ。
 おかげで最近、エーコやおねえちゃんに会いに行く機会が増えた。皆も、用事に便乗して、自分の用で出かけるのも、良くある事になってきた。
 123号さんや192号さんだけじゃなく、カードゲームの相手を探したり、タンタラスの皆と飲みに行ったりしてる人達もいる。
 「そんな事する暇があったら」って言う人もいるけど、かまわないとボクは思ってる。そんな人達は、研究をさぼったりしない。
 最近、黒魔道士達の口からよくこんな言葉を聞く。
「やりたい事があるんだ」
「行きたい場所があるんだ」
「会いたい人がいるんだ」
 ミコトは留学前、ボクにこう言った事がある。
「生きるものはいつか必ず死ぬわ。いくら延命の方法が見つかっても、死を永久に避けつづけるわけには、いかないわよ」
 うん。分かってる。
 「寿命を延ばしたい」。その願いは、本当はとても危険なものだよね。
 もしその願いが、「死ぬのがこわい」という気持ちから生まれたもののままであったなら、ボクらはいつかクジャと同じ間違いを犯しただろう。
 けれど。
 やりたい事がある。
 行きたい場所がある。
 会いたい人がいる。
 そういう気持ちは、すごく当たり前の事でしょう?
 そのために、時間を。
 もう少しだけ、時間を。
 そう望むのは、間違った事じゃないとボクは思う。
 だから、ボクはこうして今も延命の方法を研究してる。
 これは、実際に延命の方法を見つけるためでもあるけど、何より「何かをしたい」と思う気持ちを、つぶしてしまいたくないからだ。
 「もしかしたら」、そう思えれば。もう時間が無い、と思えば立ち止まってしまうような事でも、まだ時間は有る、と思えば歩き出せる事もあるからね。
 そう、時間はまだある。
 …今、ボクは子供達を育てながら、延命の研究をしながら、一つの「報せ」を待っている。
 今日来るか、明日来るか、来月来るのか、見当もつかない「報せ」を、待っている。
 時間はまだある。焦っても仕方ない時は、そう思うしかない。
 ぎりぎりまで、諦めないために。

   断片19:罪
 最近、あまり村の外へ出ていない。いつ、「報せ」が来るか、分からないから。
 そしたら、リンドブルムで大変な事になっていたらしい。
 買出しに行った人達が、予定より数日遅れて帰ってきた。
 「何があったの」って聞いたら、買出しにいってた192号さんが、
「リンドブルム兵に捕まってたんだ」
だって。思わず「どうして!?」って叫んじゃった。
「リンドブルムで、通り魔事件が起きてたんだ。目撃証言で、黒魔道士が犯人なんじゃないかってことになってたらしくて」
「もちろんぬれ衣だからな」
 そう言ったジェノムの子に、そんなこと疑わないよっ、って思わず言い返しちゃった。だって皆がそんな事出来るわけないもの。
 でも、帰ってこれたって事は、疑いは晴れたって事だよね?
「うん。ウェイン君たち商業区の人達が、真犯人を捕まえてくれたんだ」
 留置場にいる間のことだから、お見舞いに来たエーコから聞いた話らしいんだけど。容疑が黒魔道士にかかった時点で、ウェインさんは、
「んなわけないだろ!ちゃんと調べろ!」
って警備兵さんにくってかかったらしい。
 仕事上黒魔道士を解放するわけには行かないけど、警備兵さんのうち何人かは、ボクらがお世話になった人たちだから、巡回の回数を増やしたり、聞き込みをしたり、頑張ってくれてたらしいんだけど。
 でもなかなか捕まらないので腹を立てたウェインさんが、黒魔道士と知り合いの人達と、捕まっていなかったジェノム達まで率いておとり作戦に出て、とうとう真犯人を捕まえてしまったらしい。
 192号さんがお礼を言ったら、
「おまえみたいなとろくさいのが犯人なわけない。あんな事件が起きてるんじゃおちおち寝てられないから手を打っただけだ」
ってさ。
 真犯人は、黒魔道士の変装をした…襲撃で身内を亡くした人達だった。目撃証言をしたのも、犯人のうちの一人だったようだ。最近黒魔道士が町を歩いているのがどうしても嫌で、何とか町から追い出してやろうと思ってやったことなんだって…。
「でも、だからと言って人を傷つけるのは間違ってるわよっ。どんな事情があれ罪は罪。ちゃんと償うべきだわ」
 エーコはそう言ったらしい。
 …帰ってきてから皆は、襲撃で被害を受けた人達に対して、ボクらが何かするべき事がないか、話し合い始めた。
 そしてボクは、ボクら黒魔道士が犯した罪を、どう子供達に説明しようか、考えてる。
 どちらもまだ、答は出てない。

   断片20:感謝
 「報せ」は、まだ来ない。
 子供達にボクの過ごしてきた時間のことを話しながら、村の皆が今一歩一歩村の外へ踏み出していく姿を見ながらふと思う。
 ボクは、皆のために何かしてあげることができたかな。
 結局、ほとんど何もしていないのかもしれない。
 「今やれる事を、今やりたい事を、頑張ろう」そう思ったけど。
 ボクはただ、自分の望みのために、皆にわがままを言っただけ。
 皆は自分の力でいろんな人と出会って、交流して、村の外へ道を作りつつある。ボクの知らないところでも、確実に道は伸びていく。
 今ボクがこうして子供達を授かったのも、そんな皆のおかげだ。
 ううん、この子供達の事だけじゃなくて。
 きっとボクは今まで、自分一人の足で歩いた事なんかなくて。
 ただでさえボクは、おじいちゃんや、ジタンや、おねえちゃんに連れられて歩いてきたんだけど。
 実際には、もっと大勢の、見えないところで起きた、いろんな人の、いろんな出来事にどこかで支えられながら、歩いてきたんじゃないかな。
 この世の何が欠けても、今のボクはいなかったんじゃないのかなって。
 そんな事を思う。
 ちょっと、おおげさかな?
 でもね。何だか、最近、世界中にありがとうを言いたくてしょうがないんだ。けれど、あまりにボクに出来る事は少なくて、そのありがとうを言う事さえ、今は子供達にこの気持ちを預けるより他に方法がない。
 一番ありがとうを言いたい人が、今ここにいないから。

   断片21:過ぎる時間
 最近、子供達がボクとおそろいの服を着たがる。
 せっかく色違いの服を作ったのに、いやだって。これじゃ誰が誰だか分からないよ。子供達がボクに間違われる事もしょっちゅうだ。
 延命の方法は、まだこれと言ったものが見つかっていない。でも、皆はむしろ前より焦っていない。
 今焦っているのは、ボク。
 「報せ」は、まだ来ない。

   断片22:焦り
 やりたい事がある。
 行きたい場所がある。
 会いたい人がいる。
 どうか、間に合いますように。
 「報せ」は、まだ来ない。

   断片23:「報せ」
 「報せ」が、来た。
 マダイン・サリから、モリスンがやってきてこう言った。
「イーファの樹の活動が、止まりましたクポ」
 ボクは、すぐ支度にとりかかった。
 やりたい事がある。
 行きたい場所がある。
 会いたい人がいる。
 早く、早く、早く。
 船の準備をしてもらって、288号さんに子供達の事を頼んで。
 ボクは、イーファの樹へ向けて旅立った。
 ジタンを、探すために。

BACK

山月のはんこ


   こめんと
 「おい、これまだ続くのかよ」と言いつつ、ここまで読んでくださった皆さん。本当にお疲れ様でした(汗)
 この話、実のところ読んだ時面白いかどうかを考える余裕もなく、「書きたい事を書こう!!」と思って書いたものです。いや、他の話もそうだけど、これは特に顕著にその傾向が…。あんまりいい事じゃなかったんですけど、力量不足がたたってまして、むむむ。
 そこまでして書きたかった事って言うのは、いろいろあるんですけど、一番大きいのは、
「FF9の中に出てくる話し掛けるといちいち返事してくれる人々!!お前ら全部大好きだ―!!」
って、ことです。
 重箱の隅をつつくのが大好きな山月にとって、彼らの存在はFF9にはまるのにものすごく重要な要素でした、いや大げさじゃなく。
 ほんとは、南ゲートの背の高い警備兵と背の低い警備兵とか、ヴィジランツのリーダー・ジャスティンとアレクサンドリア兵のニコルとか、もっともっとたくさん書きたかったけど、この辺が山月の限界です。
 拡大解釈なとこが多すぎたかな、はっきり登場してしまったオリジナルキャラクターが3人もいるし…。そういうところは <ゲート前>に書いてあったとおり、このサイトの小説は、すべて山月の個人的な想像によるものですので、「山月はこんな風に思ったんだけど」ってな話だと思って許してくださると嬉しいです。
 そうそう、タイトルの意味を、話の中では表現することが出来ませんでしたので、説明しておきますね。空の欠片というのは、要するにビビの記憶の断片って意味です。