「ねみぃ…」
ナギ、おまえも朝弱いのか。
わしなんか血圧の上がほとんど100超えなくて
朝が死ぬほどつらいんだよ。
「んだが…」
…聞こえてるけど聞いてねえな、こいつ…。
おい、右肩はだけてるぞ。
「ん〜…」
「…ん?」
「おい、おーや(大家=案内人・山月)…」
はい?
「ありゃあ…もしかして…」
「♪」
ええと…そのう…。
「みかな?」
(…さあて、どう説明したものか…)
「!」
あ、ナギに気づいた。
…っとっとっとああああああぶあぶあぶ!
「うおっとおおお!?」
どっさあああん!
…やっちゃったよ。
「みかな…し、死ぬう…」
「おまえ、なんでこんなところにいんのぉ?」
「♪」
「…みかなに聞いても仕方ないんだった…」
………。
「まぁ、何にしてもおーやが原因なんだろ?
とりあえずアッチと通信するからノートパソコン貸して」
らじゃ…。
「…それからみかな。お友達には
とりあえず帰ってもらえ」
「ほい、かちかちっとな」
以下、通信内容。
Log |
林夏 |
久しゅう。ナギから連絡してくるなんて珍しい。 |
森夏 |
久しゅう。珍しいな。 |
ナギ |
りんか、しんか、そっちで何か変わったことない? |
林夏 |
ふむ、変わったこと?あったかな? |
森夏 |
ふむむ、変わったこと、あったやも。 |
林夏 |
なにかな、森夏? |
森夏 |
あれだ、林夏。翠樹が気にしてた。 |
林夏 |
あれか、森夏。最近、光金の気配がないと。 |
森夏 |
燈夜が探している。 |
林夏 |
灼華も探している。 |
ナギ |
そのみかなが、こっちにいる。 |
林夏 |
ほんとか!? |
森夏 |
なにゆえ!? |
ナギ |
おれにはわからないよ。おまえたちなら分かるんじゃないの? |
林夏 |
ふむ、待たれい。 |
森夏 |
しばし、待たれい。 |
林夏 |
…わかったぞ、原因が。 |
森夏 |
依り代だ、原因は。 |
ナギ |
依り代。この身体のこと? |
林夏 |
うむ、その依り代は本来あれのために用意された。 |
森夏 |
しかし、依り代として準備を整えられることなく、放置された。 |
林夏 |
整えられる前の依り代が、同調した。 |
森夏 |
整えられる前だから、光金と同調した。 |
ナギ |
つまり、おーやの不精が原因か。 |
林夏 |
そうなるな。 |
森夏 |
困ったものだ。 |
林夏 |
本来そっちに行くはずだったのは、あれなのに。 |
森夏 |
本来行くはずだったあれに、どう話そう。 |
ナギ |
どう話しても怒ると思う。 |
林夏 |
違いない。 |
森夏 |
仕方ない。 |
林夏 |
どうせ我等の責任ではない。 |
森夏 |
そうだ山月の責任だ。 |
ナギ |
怒るだろうけど、八つ当たりはしないヤツだし。大丈夫だろ。
痛い目見るヤツがいるとしたら、おーやだけだ。 |
林夏 |
もっともだ。では我等があれに伝えおこう。 |
森夏 |
まったくだ。いずれはあれが呼ばれるのであろ? |
ナギ |
うん。準備はしてるみたいだし、みかなと入れ替わりになると思う。 |
林夏 |
そっちならば、光金の心配は不要だな。 |
森夏 |
どこにいようと、光金の心配は不要だが。 |
林夏 |
むしろ山月が危ういな。 |
森夏 |
どうせそっちのことに過ぎん。 |
ナギ |
まあ、あいつがこっち来た時のことは任せてよ。 |
林夏 |
うむ、任せた。 |
森夏 |
では、さらばだ。 |
(ううむ…早くあいつを呼ばないと、どんどん後が怖くなるな…)
|