サラワクの 森・街・ひと ^^^^^^^^^
緑の監獄
〜油ヤシ・プランテーション〜
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アブラヤシ・プランテーション
〜暮らしの中のパーム油〜

A.パーム油のイメージ

 (以下は作成中です)
B.暮らしの中のパーム油
C.アブラヤシ・ブランテーションの歴史
D.日本でのパーム油のイメージ
E.「見える油」と「見えない油」?

A.パーム油のイメージ
 「健康のために何か良いことをしようとするならば、そんなに大それたことを考えなくてもいい。ビタミンA、カロチン、ビタミンEが豊富に含まれているパーム油は、加えて飽和脂肪酸が少なくコレステロール・フリーなので、体にいいだけでなくダイエットにも有効です。さらに加えて、ビタミンEやカロチンはがん予防に効果的という研究結果が出ています。」 これは、マレーシアの“Malaysian Palm Oil Promotion Council ”という言うなれば「マレーシア・パーム油推進普及協議会」という団体の“Golden Oil From Malaysia”という宣伝文です。また、日本においても「手にやさしい、地球にやさしい」といったイメージで製品化され、売り出され、消費者もそのイメージでとらえ、商品を購入していることが多いのではないでしょうか。中には「エコマーク」までついている商品が見られます。
 しかし一方でパーム油を作るための油ヤシ・プランテーション開発が、「熱帯林伐採よりひどい森林(環境)破壊だ」といった声も聞かれます。油ヤシをめぐってなぜこのような相反する見方、考え方があるのでしょうか。また実際に、日本の私たちの身の回りでどのくらいのパーム油が使われているのでしょうか。そのパーム油と熱帯林との間にはどんなつながりがあるのでしょうか。
 熱帯林は私たちにとっては距離的にとても離れていますが、実は“モノ”を通してみてみると、大変つながりの深い関係にあります。例えば「熱帯木材」、私たちの周りにある机やいす、家のフローリングや建築材などの木材は熱帯木材が使用されている割合が高いのです。コンクリートを固める際の型枠「コンクリートパネル」はその多くが熱帯木材から作られた合板が使われています。例えば「エビ」。私たち日本人は世界でも大変エビ好きな民族です。なんと一人あたり平均、年間90匹以上を食べていると言われます。このエビ、日本近海で採れるものもありますが、ほとんどは海外からの輸入に頼っています。しかも、熱帯林の一種であるマングローブ林を切り開き、そこに養殖池を作って大量に養殖されたものが、冷凍され日本にやってくるのです。他にも天然ゴム、バナナ、アルミニウム、木炭、製紙用チップ、スパイス、天然ガス、観葉植物、籐などが、熱帯林から日本にやってきて私たちの生活を支えているのです。このように“モノ”を通してみると、熱帯林と私たちは密接につながっていて、熱帯林で起きているさまざまな問題も、私たちとは無関係ではないと言えるのではないでしょうか。
 ここでは、「油ヤシ/パーム油」をとおして私たちと熱帯林とのつながりを見つけ、パーム油の「来し方」で起きているさまざまな課題について、私たちに引きつけて、考えていきたいと思います。

*パーム油について
アブラヤシの果肉からとる油をパーム油、種子からとる油をパーム核油という。一方ココヤシの果実内の胚乳を乾燥させたものから搾りとるのが、ヤシ油とよばれパーム油とは異なる。


【 続く 】


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