◆名称 :明星山国分寺

◆所在地  :三重県関市
◆宗派    :真言宗


明星山国分寺の縁起には次のようにある。「当明星山国分寺は、今より千百有余年の昔天平15年、行基菩薩の始めて開基し給う所、・・・・聖武天皇の勅願所にして一国無隻の霊場なり。・・」

JR関駅からおよそ5Km程北のところに国分寺がある。途中より車は山道に入り、次第に道が狭くなり車1台がようやく通れるところを暫く走る。そして、車も通る道がなくなり、ただ山を切り開いただけの登山道を15分程上ったところに突如小さな寺が現れる。

天平の国分寺がここにあると聴いたので訪ねたのであるが、近ずくにしたがってまるで古代国分寺の建つ場所とはかけ離れた景色となっていった。そこで、車の運転手さんに再度「天平に建てられた寺ですか?」と聴いたが「そうだ」という。
車から降り登山道に入ったところで上から降りてきた人に出会ったのでその人にも聴いてみた「天平の寺ですか?」やはり「そうですよ」という返事。じゃー、国分寺なら講堂、金堂、塔などがあるからもしかして福井県の永平寺、そこまでいかなくても山形県の山寺のようなお寺があるのであろうと期待して登って行った。

苦しい登山の先で見つけたのは古い一つの寺でした。たしかに寺の縁起によれば天平の国分寺と同様の寺である。しかし、一国無隻とはいえ、関市は伊勢国であり、伊勢国分寺は鈴鹿市国分に「跡」がある。どうなっているのだろうか?
寺には髭の住職一家が住んでいて「よく来られた。先ずは上がりなさい。」と歓迎され、また色々と教えてくれた。この寺にもお祭りがありその時には賑わうそうである。

1989/11