◆現在の名称:河内国分寺跡
◆所在地 :大阪府柏原市国分町
◆交通 :近鉄大阪線河内国分 車
近鉄大阪線は上本町から出る。各駅停車の国分行きに乗り終点の河内国分で降り国分寺へは車で向かう。
町中を過ぎ国道25号線を王子の方に進む。この道は奈良街道といわれ、先には奈良の都があり所謂「大和路」である。市街地から暫く行くと道の両側に工場が見え出す。その右、岡の中腹が「河内国分寺跡」であり、それを示すものは「塔の礎石」をコンクリートで復元したものと、「説明の看板」であった。
でも、ここは農家の庭先。この辺は河内ワインになる葡萄の産地で、葡萄の柵が岡の裾をうずめている。たまたま家の前に出ていた農家の方に「建物の礎石などは無いのですか?」と聴いてみた。でも、塔跡以外は無いということであった。古代の「河内国分寺」は岡の中腹に建っているだけに、奈良の都に行く人々にとっては「七重塔」が遠くからでも眺められ、「ここを過ぎると都」という気持ちで歩いたことであろうその様子が目に浮かんでくる。
「河内国府」、「河内国分寺」、「法隆寺」という道のりが「大和路」のクライマックスであったのだろう。
1989/11