浄土宗 平河山 浄土寺
ひらかわさん じょうどじ
住所:港区赤坂四 最寄り駅:銀座線赤坂見附駅
左手に宝珠、右手に錫丈、僧衣を付けた比丘形の像高1.3mのこの地蔵は、その全身と高さ50cmの台座に、武士や町人など945名の結縁者の名を印刻した区内には例の無い地蔵損です。台座正面施主として「平兵衛」など3人の名が見え、彼らを中心として鋳造が行なわれたものと考えられます。背面には「享保4年(1719)2月24日鋳物大工太田駿河守正義」とあります。太田正義は深川の地蔵坊正元の発願で建てられた江戸六地蔵(都指定)を鋳造した神田鍋町の鋳物師であるとおもわれます。
港区 文化財のしおり 港区教育委員会
銅造地蔵菩薩坐像 (港区有形民俗文化財)
さて、どう見ても「江戸六地蔵」の兄弟ではありませんか。「七地蔵」では地蔵信仰の論理と異なるからなのか、それとも、「大山道」(青山通り)からちょいと離れているからなのか、残念ながら「都指定」になっていない。わがホームページでは「都指定」並に扱いましょう。
浄土寺
本尊阿弥陀如来。文亀3年の開基で明蓮社教誉聖光によって開山。初め平河口(皇居の側)にありのち麹町平河町に移り、更に慶長年間現在地に移転した。昭和20年全焼したが貫達によって現堂宇を完成し旧観に復した。なお地蔵尊は霊験あらたかで多数の参詣者がある。
全国寺院名鑑
本堂
浄土寺入口
2003/09
浄土寺 江戸切絵図(1861)
浄土寺には閻魔王坐像があり、江戸時代正月、七月の十六日には閻魔参りの人で賑わった。この坐像は現在でも本堂の左手に祀られている。