◆現在の名称:淡路国分寺(あわじこくぶんじ)

 ◆所在地  :兵庫県三原町八木
 ◆宗派    :真言律宗(真言宗西大寺派)
 ◆交通    :高速淡路島三原インター 車
名神高速から淡路島へは「淡路海峡大橋」を渡る。余談であるが、高速料金が高い。明石から三原まで4300円とは、東京から東名を走ると静岡を越えてしまう距離に当たる。
地図で「笑原」というところに「淡路国分寺塔跡」と記されているのでここに向かうが、先ずインター料金所の方に「八木」はどっちですかと聞く。「左に行き、更に左」だそうである。インターが県道に接続し南に向かうと国道に出る。国道との交差点に「左八木」の標識があった。この国道を先に進み「国分寺塔跡」への交差点に近いと思われるガソリンスタンドでまた道を聞く。ここを左折し少し行くと「淡路国分寺」に着く。
現国分寺は小さなお寺で無住の様子であり、門を入った右手に「史跡淡路国分寺塔跡」と書いた石碑があった。

説明板には「天平の昔に建立された淡路国分寺の今にいたる壮大な塔跡である。中心礎石は、塔跡基壇に建てられた大日堂の中にあり、直径1.36mの円形の自然石の表面を加工、直径75cmの円柱座と、更にその上にホゾを彫りだしている。これを中心に188.93uが指定されたが、この範囲に中心礎石の他に5個の礎石がある。いずれも動かされている。昭和59年〜63年の発掘調査で塔跡は一辺13〜14mの基壇と推定され、また中心は北へ約2m移動していることがわかった」とある。
ということは、188.93uでは塔基壇だけが史跡指定されているのではないか!なるほど地図に「国分寺塔跡」と表示されていたのが正しい表現なのだ。国分寺跡を史跡としているのではない。
大日堂の裏手に廻ってみると礎石が置いてある。ここだけが史跡なのである。
さらに痕跡が無いか周辺を歩いてみたが、何も無い。しかし広い畑がある。このどこかに他の建物跡が残っているのだ。三原町長さん何とかしてくださいよ。でも、きっと将来史跡公園になるのだろう。この辺が宅地化されるということはおそらく無いのであろうから。

大日堂の隣には「国指定重要文化財 国分寺本尊木造釈迦如来座像」を収容する建物がある。
説明板には次のように書いてある。「国分寺の本尊は木造の丈六釈迦如来座像である。像の高さは294.8cmで、像内背部に暦応3年(1340)の記録がある。しかしこのご本尊は天平時代の作とも伝えられ土地の人々はこの像は天平仏であると固く信じている。現存する国分寺の多くは薬師如来を本尊としているが、国分寺本来の本尊である丈六の釈迦如来像を本尊とするのは淡路国分寺のみであり、国の重要文化財に指定されている」
このような説明があればぜひ見せていただきたいと思うのが我々国分寺ファンであるがこの堂には大きな鍵がかけられており入ることは出来ない。「浄財」を求める箱だけがいつでも使えるようになっているだけである。

2002/11
淡路国分寺
「史跡淡路国分寺塔跡」の石碑と「大日堂」
大日堂裏手にある七重塔礎石
重文「丈六釈迦如来像」の納められているお堂
国分寺周辺に広がる畑
このどこかに国分寺跡が眠っている