上方浪曲ニュース最新号
2005.5-6
大阪歴史博物館で浪曲講座
浪曲の魅力を解説と実演で

 大阪市立の大阪歴史博物館の上方芸能鑑賞講座で、三月二十日「浪曲を聴けばニッポンが見える」と題してトークと実演が行われた。
 第一部は、芦川淳平トークショー「魅惑の浪曲時空旅行」。浪曲の魅力の三つのポイントは、声の力と、節のオリジナリティ、内容の同時代性にあるという観点から、浪曲史上重要な人と作品を例示した。この日歌手の愛平祐子さんがはじめて「歌謡浪曲下田哀話唐人お吉」を口演した。
 第二部は、浪曲秀作撰と題して松浦四郎若の「太閤記〜秀吉の報恩旅行」と京山小円嬢の「佐倉義民伝〜宗吾の子別れ」を紹介。小円嬢はこのお家ネタを初めて披露した。

桜も天気もドンピシャリ
高野山の花見に60人参加

 四月八日、築港高野山寺で、浪曲親友協会恒例の桜まつりが開かれた。この日は満開の桜と絶好の花見日和に恵まれ、会員とファンら約六十人が参加。桜の木の下で、飲めや歌えのにぎやかさだった。余興では長年のファンの森田文造さんは、最近の浪曲を叱咤激励しつつ、得意の幸枝節の節真似でカツを入れたのを受け、浪曲人や歌手が次々とのど自慢を披露、日吉川秋水のあでやかな踊りも出て、宴はたけなわに。最後は真山会長が三曲も唄う大サービスで、皆堪能した。

筑波武蔵に知事表彰

 大阪府の憲法記念日知事表彰の文化功労賞が筑波武蔵に贈られた。授賞式は五月十日大阪国際会議場で行われ、折しも国立文楽劇場の上方演芸特選会に出演中の筑波武蔵は、口演の合間を縫って授賞式に出席、太田知事より賞状と記念品が贈られた。
 筑波武蔵は昭和十二年徳島県の生まれ。昭和二十六年初代筑波武蔵に入門するが師匠の勧めで歌の勉強に上京。四十六年筑波武志を名乗ってデビュー。四十八年二代目武蔵を襲名。ギターの弾き語り浪曲で独自の世界を築いている。現在浪曲親友協会理事。

ゑびす座で素人天狗道場

 道頓堀ゑびす座で毎月二日間開催されている浪花節とんぼり亭は、出演者三名の浪曲と余興を付けることになっているが、五月公演は十七、十八の両日、京山幸枝若、真山広若、春野ココの浪曲と余興に素人天狗道場を開催した。出演は京山幸枝若の浪曲教室の生徒三人に会場からの飛び入りの計四名で、満月ぶし、幸枝ぶし、中村富士夫ぶしといずれも節自慢声自慢の面々。審査員には幸枝若、四郎若、倖若の三人があたり、それぞれの出演者に講評を加えていた。初日の優秀賞には、「湯島の白梅」を語った幸枝若教室の万葉みかさんが選ばれた。

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