上方浪曲ニュース最新号
2005.1
ワッハ上方で正月公演
今年もたっぷり浪曲三昧

 

一月三日、大阪ミナミのワッハ上方演芸ホールで、「初春はみんな揃って浪花節」が開催された。
 浪曲親友協会主催の今年最初の公演で、昨年に続いて真山広若の「番場の忠太郎」で幕を開け、春野ココが「かぐや姫」とつづいた。、呼び物は京山幸枝若と倖若の初の掛合い浪曲「左甚五郎掛川の宿」。中央に岡本貞子、一風亭初月、京山幸光の伴奏陣が床几に座り、上手に狩野探幽役の倖若、下手に甚五郎役の幸枝若という布陣、この日のために三度も集まって稽古したというだけあって、気合いも入り、初の兄弟弟子競演にファンも大喜びだった。後半は筑波武蔵がギターの弾き語りを久々に復活自作の「道頓堀夜話」を、続いて松浦四郎若が「晴れ姿奈良丸ぶし」、最後に三原佐知子が「母ちゃん死ぐのいやだ」を熱演して満場の涙を誘い、たっぷり浪曲の正月公演だった。

一心寺寄席正月公演
記録的大入りで開幕

 一月の一心寺寄席は、新春御目見得公演として、幹部が八日から三日間日替わりで出演、この冬一番の寒さにもかかわらず、普段以上の観客が詰めかけ、幸先よいスタートを切った。ことに三日目は定員八十人のところを一四〇人の観客で満員札止めの大盛況となった。
 また、九日から一三日までの五日間、国立文楽劇場小ホールで演芸特選会が開かれ、京山小圓嬢と松浦四郎若が出演、小圓嬢は「壷阪」、四郎若は「芝浜」を連日読んで、こちらも普段を上回る盛況だった。

大石神社義士祭に奉納浪曲
新装の会館で四郎若・和子

 十二月十四日の義士討入りにちなんで、京都山科の大石神社で奉納浪曲会が開催された。
 山科大石神社は、「赤穂義士のお陰で浪曲が隆盛した恩返し」として二代目吉田奈良丸(大和之丞)が、全国の浪曲人に呼びかけて寄付を募り昭和十年に建立したもので、境内の玉垣や燈篭、鳥居などに寄付した浪曲人の名前が刻まれたいわば浪曲神社。
 大和之丞亡き後は、門人の吉田朝日、さらに朝日の未亡人鶴子さんが世話をして毎年十二月十四日の大祭に神社横の集会所で奉納浪曲会が開かれている。昨年は建替のため休演となったが、今年は新築の会館で復活、松浦四郎若と泉和子が義士伝を語った。三味線は一風亭初月


 

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