上方浪曲ニュース最新号
2004.7
道頓堀なにわ節亭開幕
総出演で初御目見得披露

 久方ぶりに道頓堀の浪曲寄席が復活した。これは元浪花座跡地のビルに誕生したミニテーマパーク「道頓堀極楽商店街」のなかの芝居小屋『ゑびす座』で毎月三日間開かれるもので、道頓堀浪花節亭と題し、第一回は7月12日から三日間開催された。
 ビル内に再現された入り組んだ路地の中にある劇場だけに、どこにあるのかわからず探し歩いたという人もあったが、日を追うごとに来場者も増え、三日目にはほぼ一心寺並の観客で賑わった。
 今回は御目見得ということもあって出演者は12日 一郎、佐知子、武蔵、小円嬢 13日 百合子、満月、倖若、広若 14日 幸枝若、四郎若、幸枝栄、誠太郎と日替わり。
 次回からは毎回三、四人ずつ出演する。開演はいずれも午後一時。入場料は2000円(他に入館料315円別途必要)

三原佐知子後援会総会
ファンに新ネタ披露

 三原佐知子後援会は、七月十八日ミュンヘン南大使館で後援会の集いを開催し、大宴会場に入りきらないほどのファンが参加した。それもそのはず、昨年大阪文化祭賞を受賞しながら、三原が不景気の折柄ファンに負担をかけたくないとパーティーの開催を遠慮したため、恒例の集いも中止に。二年ぶりに待ちわびたファンが押し掛けたもの。三原は、新ネタ「母ちゃん死ぐのいやだ」をこの日はじめて披露。今年はこれで頑張りますと宣言し、力強い声援を受けていた。

平和を考える浪曲の集い
八尾市が啓発事業で実施

 非核平和都市宣言をしている大阪府八尾市が、毎年行っている啓発事業に今年は浪曲を通して平和を考えてもらおうと7月9日八尾市文化会館プリズム小ホールで「浪曲と歌で綴る平和への祈り」を開催した。
 浪曲は、明治大正昭和と激動の近代史に生きる庶民の心情を綴って歌い上げ、国民の共感を得てきた。そこで浪曲で描かれた戦争と人々の気持ちを通して、平和のあり方を考えて見ようというもので、第一部は芦川淳平のトークショー「浪曲と歌が訴える庶民の祈り」、明治四十四年発表の浪曲「召集令」を復活再演したほか、「異国の丘」や「岸壁の母」など戦争を背景にした歌の心を綴った。第二部は真山広若の「ああヒロシマ」、三原佐知子の「ああ残留孤児」の現代浪曲二題。
 満員の盛況で市民の関心の高さがうかがわれた。


中村美律子が歌謡浪曲
「太閤記」新歌舞伎座で披露

 中村美律子が恒例の新歌舞伎座公演を開き、連日大入りで賑わっている。
 今年は、芝居がなく、名作歌謡ステージと題して唄とコントで綴る景物がメイン。その目玉は、今回初演の「歌謡浪曲太閤記」。矢矧の橋からひよしまるの出世街道を節と芝居で綴ったもの。中村は語り手の浪曲師と日吉丸、の二役に扮して唄って芝居しての大奮闘だった。

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