上方浪曲ニュース最新号
2004.3
 一心寺・文楽劇場ダブル公演

 3月は一心寺寄席と文楽劇場上方演芸特選会の日程が重複して開催された。
 一心寺寄席は8日から三日間春野百合子、筑波武蔵、京山倖若、幸いってんが出演した。初日京山倖若が日吉川秋齋の「谷風少年時代」に初挑戦、名人秋齋の芸を良くとって客席をおおいに沸かせた。倖若の新路線開拓の努力が光った。筑波武蔵は太閤記を三日間連続で読み、百合子は練り上げた十八番で座長の貫禄を示した。一方文楽劇場の演芸特選会には7日から5日間開催され、真山広若と春野ココが出演した。

 市民大学講座で「浪曲の魅力」講演

 芦川淳平は、2月21日八尾市生涯学習センター大ホールで開催された市民大学講座で「浪曲を知れば日本が見える」と題して講演した。前シリーズについで2度目の講演となった今回は、浪曲が日本人の心の琴線に触れ感動させるのは何故かを分析して、浪曲が訴える世界を作品の面からとらえた。「かわいそう」な境遇の登場人物と、相対する「憎らしい」登場人物の対比から弱者へ愛情を注ぐ博愛主義、正義と悪を際立たせる勧善懲悪を訴える倫理的行動規範、現実ではそうではないからこその「かくありたし」という理想主義、「世のため人のため」に行動する自己犠牲を伴う利他主義など浪曲が描く様々なパターンを例示し、一風亭初月の三味線で実演しながら説明した。

 幸いってん日航名人寄席に出演

 日本航空の機内放送で流されている日航名人寄席に、幸いってんが出演、言ってんの若さあふれる口演が、日本の空に流れている。

 リーベル王子こけら落しに浪曲

 奈良県王寺町王子駅前の地域交流センター内にオープンするリーベルホールのこけら落しを浪曲が飾る。四月二日午後一時から、真山広若、天光軒満月、三原佐知子の浪曲と芦川淳平のトークショーで新ホールのオープンをにぎやかに祝う。入場は無料。
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