上方浪曲ニュース最新号
2003.7
郷土民話もとに新作浪曲発表
満月、徳島でディナーショウ

 天光軒満月は、六月八日故郷の徳島市で、新作発表ディナーショーを開催した。作品は、満月自身が故郷に伝わる民話を元に作った「阿波の狸合戦」。二十年ぐらい前から舞台にかけながら練り上げてきたもので、このほど晴れて地元の徳島での発表となった。
 満月は、平成元年四代目を襲名以来、浪曲や歌謡曲に独自の活躍を続けてきたが、襲名十五周年を前に故郷に錦のディナーショーを開催することになり、四代目ここにありを宣言するため、敢えて郷土民話を題材にした新作を発表したもの。
 会場の徳島グランドホテルには三百五十人のファンが集まり、郷土出身の満月の熱演に聞きほれていた。
 なお、満月は「阿波の狸合戦」の続編も執筆中で、完成すれば新譜に吹き込む予定とか。

京山宗若が「音頭革命」
河内音頭の師匠を偲び


 京山宗若は、六月十五日地元松原市文化会館で「音頭革命」と題した音頭大会を開催した。
 これは、河内音頭出身の宗若が、音頭の師匠三音家浅丸の命日に恩師を偲んで開催したもので、第一部は歌謡ショー、第二部は河内音頭と江州音頭のステージショー、第三部は会館前の広場で野外ライブの総踊り音頭ショーと午後から深夜までの大熱演。
 「音頭革命」の名の通り、第二部のステージでは出演者が、今までの音頭にない新鮮な演出でショーを盛り上げた。宗若は浪曲のテーブルをおいて、じっくり聴かせる音頭で「左甚五郎」を歌っていた。

文楽劇場と一心寺寄席
同時開催で相乗効果


 七月の一心寺寄席は、七日から九日迄三原佐知子、天光軒満月、真山広若、春野ココが出演、それぞれ新ネタ、名作を連日熱演した。一方、国立文楽劇場小ホールの演芸特選会も六日から十日迄一周年記念公演が行われ、毎日二人づつ浪曲が出演。わずか一キロほど離れた両会場で同時の浪曲寄席が出現し、ファンは、どっちへ行こうかとぜいたくな悩みに困らされた。文楽劇場には、春野百合子、真山一郎、京山小円嬢、三原佐知子、松浦四郎若がそれぞれ日替わりで、初日と楽日に真山広若、中の三日間を筑波武蔵が出演した。
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