上方浪曲ニュース最新号
2003.6
真山広若、地元でリサイタル
忠臣蔵を七十分読む熱演

 真山広若が、地元柏原市のリビエールホールで、五月八日初リサイタルを開催した。呼び物は、刃傷から討入りまで広若の持ちネタ四席を七十分に再構成して、一挙に口演するという広若の「大忠臣蔵」。「刃傷松の廊下」、「元禄秋晴れ街道」、「南部坂雪の別れ」、「俵星玄蕃」のそれぞれ名場面を広若が演歌浪曲で語り、間を瓦版屋に扮した司会者がつないだり、地元の舞踊グループが「元禄花見踊」を披露したり、にぎやかな元禄絵巻を繰り広げた。第二部は歌謡ショーで、三原佐知子、三門忠司らの応援を受け、また挨拶に駆けつけた柏原市長も持ち歌を歌うなど、熱い声援の中で広若の大熱演が光った。

西崎恵美子に知事表彰

 曲師の西崎恵美子は、平成14年度憲法記念日大阪府知事表彰を受けた。西崎恵美子は、大正12年熊本県生まれ、昭和8年実の親の国澤梅香に入門し、国澤恵美子を名乗って昭和9年初舞台、昭和26年西崎恵美子と改名して曲師に転向。長く冨士月の栄の合三味を務めていたが、現在は京山小円嬢の曲師を務めている。

親友協会、月華殿で総会
14年度決算・事業報告承認

 社団法人浪曲親友協会は、五月二十三日大阪天王寺区の月華殿で総会を開き、平成14年度決算並びに事業報告を承認した。親友協会は十四年度、一心寺公演が文化庁新世紀アーツプラン事業に採択されたことなどから、事業収入、助成収入が予算額を上回り、総収入額は一千百万円余りとなり、当期収支差額は七十九万七千円の黒字となった。

五月・六月の一心寺寄席
新作旧作、白熱の舞台

 5月の一心寺寄席は真山一郎会長が座長となり、京山小円嬢、京山幸枝栄、春野美恵子、春野冨美代の女流陣が同座して、華やかに開催、真山一郎は三日間とも普段余り演じない作品を掛け、ファンの期待にこたえていた。
 6月は、日吉川秋水、筑波武蔵、泉和子、幸いってんというメンバー。昨年体調を崩してしばらく一心寺寄席を遠ざかっていた秋水が、元気に舞台をつとめおなじみの秋水節で楽しませてくれた。また今月から、一心寺寄席では、若手曲師を積極的に登用する方針が実践され、いってんは初月、武蔵は岡室正俊の三味線で三日間舞台をつとめ、新人育成に貢献した。

奈良県王寺町で浪曲公演
百合子、四郎若、倖若ら熱演

 六月一日、奈良県王寺町やわらぎホールで「第八回やわらぎ浪曲サロン」が開催され、満員札止めの盛況の中、春野百合子、松浦四郎若、京山倖若、芦川淳平が出演、浪曲と歌謡曲のオンステージで、観客を魅了した。
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