上方浪曲ニュース最新号
2003.5
真山一門会が祝賀パーティ
師匠の文化庁長官賞受賞に

 五月十一日、大阪市天王寺区の月華殿で、真山一郎文化庁長官表彰祝賀の集いが開催された。真山一門会が主催し、浪曲親友協会が全面的に協力・後援したもので、各界から約百二十名が出席した。
 冒頭真山一郎が、今日の真山浪曲を確立した記念すべき作品で当時LPレコード二〇万枚の大ヒットとなった「日本の母」を感激も新たに口演、場内の熱い拍手で迎えられた。左藤章代議士夫人、作曲家の西脇功氏、日本浪曲協会会長の東家浦太郎が祝辞を述べ、NHKの熊谷富夫氏の発声で乾杯、祝宴が始まった。宴半ばで春野百合子、上方芸能代表・木津川計氏、おはよう浪曲・勢井亮度氏がお祝いの言葉を贈り、日吉川秋水が祝いの舞いを踊った。この後真山一門が歌を披露し、最後に真山一郎が、ヒット曲や長年陰で支えてきた照子夫人への感謝を込めた歌を歌って、京山福太郎の挨拶でお開きとなった。

演芸四団体提供の演芸特選会
一周年公演に豪華日替り番組

 国立文楽劇場小ホールで昨年から始まった演芸特選会が一周年を迎え、七月公演ではこれを記念した豪華メンバーの日替わり番組となる。演芸特選会は関西に国立演芸寄席を設置しようという、浪曲親友協会、関西演芸協会、上方落語協会、関西芸能親和会の演芸四団体の運動の一環として、昨年5月から国立文楽劇場の主催で開催されてきたもので、昨年度は四回、今年度からは奇数月の第一日曜から木曜までの五日間国立文楽劇場小ホールで開催されている。
 七月公演は、一周年記念公演として各協会の幹部が日替わりで出演することになり、五月八日記者会見を行った。出演者は別表の通り。

四十五年ぶりに復帰口演
伊勢勝門下の中川勝太郎


 亭号が途絶えて久しかった関西の中川の看板が五月五日。ワッハ上方演芸ホールに上った。中川伊勢勝門下の勝太郎で、昭和三十二年体調を崩して、現役を退いて以来実に四十五年ぶりの舞台。夫人の曲師岡本貞子の三味線に乗せ、往年を彷彿させる軽快な節使いで「尾張春太郎」を淡々と語り、復活の晴舞台を飾った。勝太郎は「浪曲界が年々寂しくなって、いろいろな節やネタが消えてゆくのが残念、元気なうちに少しでも後輩に自分のもっているものを残したい」と復帰を決意したという。

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