上方浪曲ニュース最新号
2003.4
文化庁長官表彰の真山一郎
広島で盛大な祝賀パーティ


 昨年浪界はじめての文化庁長官表彰を受けた真山一郎の受賞を祝って、各地各界で祝賀会が開催されている。
 さる二月十五日には、広島全日空ホテルで前文部科学副大臣・岸田文雄氏、前広島大学学長・原田康夫氏はじめ中国地方の後援者が発起人となって祝賀会が開催され数百人の出席者が集まった。
 真山は冒頭、演歌浪曲「日本の母」を口演、満堂の泪を誘った。「日本の母」は昭和四十六年、交通戦争の時代に目を向けて真山が放った新作で、この作品のヒットで真山浪曲の境地が確立した。真山はこの作品のヒットが今日の自分をあらしめ、ひいては今回の受賞の栄に輝くことが出来たとして、感謝を込めて出席者にもう一度感動を新たにしてもらおうと披露したもの。
 宴会に写って各界名士の祝辞や真山のヒット歌謡に乗せての舞踊ショー、門人龍太郎、大五郎がお祝いの歌を歌い、真山一郎歌謡オンステージでにぎやかに幕を閉めた。
 なお、五月十一日には午後六時から寺田町月華殿で、大阪で門人会主催、浪曲親友協会後援の祝う会が開催される。

 雨に打たれた桜を愛でて
 築港高野山で恒例の花見


 四月五日大阪市港区築港の高野山寺で、親友協会恒例の桜まつりが開催された。今年はあいにくの雨で、場所は檀徒会館の座敷に移し、満開の桜が無情の雨に打たれる様を眺めながら、諸行無常会者定離の風情を味わい、あわせてチャンコ鍋と弁当に舌鼓をウチながら和気あいあいの花見の宴となった。

 京都芸術センターで浪曲公演
 伝統と創造テーマに若者に問う

 京都芸術センターの自主公演伝統芸能創造プログラムの「継ぐこと伝えること〜浪曲」が、四月十三日夜開催された。プログラムは、芦川淳平の「トーク&ライブ」で浪曲のアウトラインを辿り、松浦四郎若が「太閤記」、春野百合子が「おさん茂兵衛」を熱演した。また間に「浪曲ミニ講座」と題して、四郎若の指導により観客二名が一風亭初月の三味線で即興で一節唸るなど意欲的な番組構成。会場となった同センターの講堂は、伝統ある明倫小学校を改装して作られたもので、場内は若者を中心に満席の盛況。はじめて接する浪曲に興味津々の様子だった。
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