上方浪曲ニュース最新号
2003.2
来年度予算事業計画
親友協会総会で承認

 

社団法人浪曲親友協会は、二月十九日大阪市天王寺区の月華殿で総会を開き、平成十五年度予算と事業計画を審議承認した。
 協会は、長期にわたる不況下にもかかわらず、会員の献身的努力により、健全な財務運営を続けており、次年度も対前年25%増の収入を見込み、総額一〇一六万円の積極予算を計上した。
 また、事業計画では、協会事業の柱となっている一心寺寄席が昨年度から文化庁文化芸術創造プラン「新世紀ファインアーツ」に指定され、助成を受けており、今年度も同寄席の運営を中心に、五月十日、十二月六日の国立文楽劇場公演、十月から40回にわたる大和郡山市老人福祉センター訪問公演などを実施し、堅実な事業運営を目指すとしている。
 事業計画、予算案は満場一致で採択された。

不況脱出と浪曲隆盛願い
今年も高野山で節分会


 

境内の浪曲塔に物故者を祀る築港高野山寺で、二月三日、今年も恒例の節分会が行われ、協会員がこぞって豆まきに参加した。
 檀家企業による寸劇のあと、親友協会の幹部らが境内を埋め尽くした善男善女に、福豆福餅を撒いて家内安全、厄よけを祈願。人々は争って福を奪いあっていた。豆まきに参加したのは、副会長の日吉川秋水以下、京山小円嬢、筑波武蔵、京山幸枝栄、泉和子、松浦四郎若、京山倖若、京山宗若、中田萬夫、芦川淳平の十人。

一心寺寄席今月も大入り

 二月の一心寺寄席は、筑波武蔵、京山福太郎、真山誠太郎、幸いってんの出演で十日から三日間行われた。今月は紀元節の祭日が入ったこともあり、三日間とも七十人を越える大入りとなった。
 座長の筑波武蔵は、「甚五郎の角海老」などを復活口演、遠く生まれ故郷の徳島からも多数のファンが訪れた。新年、「今年は浪曲ブームを巻き起こして見せる」と宣言した福太郎は、今月も新ネタ「安中草三郎」を披露、また初日は弟子のいってんと「河内十人斬り」をリレーで読むなど意欲的な舞台、いってんも一月に浄瑠璃講談落語などとのジョイントステージ「忠臣蔵」に出演するなど、さまざまな舞台の経験を経て口演ぶりにも余裕が出てきた。進境著しいのは真山誠太郎、真山流歌謡浪曲で次々にネタを増やしながら、声節に力強さも加わり、堂々たる舞台。人知れぬ猛勉強の成果が表れた三日間だった。
 一月の総出演公演に続いての今月の大入り、観客動員の努力と舞台への工夫と熱意の結果は必ず報われることを証明していた。

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