上方浪曲ニュース最新号
2003.1
三原佐知子に大阪文化祭賞
独演会「浪曲の世界」の成果

 

 三原佐知子が、平成十四年度大阪文化祭賞(大阪府・大阪市・大阪二十一世紀協会共催)を受賞し、一月二十三日府立女性センターで授賞式が行われた。
 三原は、昨年十月十二日、ワッハ上方で独演会「三原佐知子浪曲の世界」を開き、大阪文化祭に参加した。サブタイトルの「出会い・発見・チャレンジ」に則して三原佐知子の芸風確立までの道程をたどって、「三味線やくざ」「母恋あいや節」「恋と武士道」の三席を口演した。受賞はこの公演の中でも、独り芝居仕立てで語り上げた「母恋あいや節」の出色の出来栄えに対して贈られたもので、演芸部門ではただ一人の文化祭賞受賞となった。
 授賞式では、太田房江知事から表彰状を授与された後、受賞者を代表して受賞作品の「母恋あいや節」を披露した。
 三原は、「これまで、NHK新人コンクール、芸術祭などにチャレンジしてきながら、入賞に恵まれなかった私ですが、一昨年の大阪府舞台芸術奨励賞受賞を期に、やはりチャレンジを忘れてはいけないと、今回無欲で挑戦しました。図らずも文化祭賞に選んでいただき感激もひとしおです。これからも現役でいるかぎり、チャレンジ精神を忘れずに、芸道に精進して参りたいと思います」と喜びを語っていた。
 なお、二月四日に横浜にぎわい座でこのプログラムの一部を演じる「三原佐知子の浪曲と演歌」に出演するが、図らずも受賞記念公演になる。詳細は別項。

インターネットで浪曲講座
朝日放送のラジオサイトから


 毎週土曜日早朝ラジオで「おはよう浪曲」を放送している大阪の朝日放送のホームページにある「WEBIO・インターネットラジオ」の「おはよう浪曲」のサイトで、二月から「芦川淳平の浪曲ひとくち講座」が流される。
 これは、浪曲とはどんな音楽であるのか、どういう聞き所があるのかを、浪曲を聞いたことの無いひとにもわかりやすく、ファンの人でも誤解していることが多い点などを、NHKテレビの司会でおなじみの芦川淳平が解説し、話しの内容に因んだ懐かしい浪曲の名調子を流すもので、一回七,八分程度。二月から二週間交代で更新される。聞くためには、パソコンで[http://www.asahi.co.jp/webio/roukyoku.html]にアクセスし、リアルプレイヤーなど自分のパソコンで再生できるファイルをダウンロードすれば聞くことができる。
 第一回のテーマは「浪曲は明治のニューミュージック」と題して、浪曲がどんな芸能なのかという話と初代京山小円の佐倉義民伝の一節を流す。以後、「浪曲とニューメディア」、「浪曲スピリットは魂の叫び」「浪曲師はシンガーソングライター」と続く。

討入三百年大祭に奉納浪曲
浪曲神社・山科大石神社で


 十二月十四日の義士討入り三百年にちなんで、京都山科の大石神社で奉納浪曲界が開催された。
 山科大石神社は、「赤穂義士のお陰で浪曲が隆盛した恩返し」として二代目吉田奈良丸(大和之丞)が、全国の浪曲人に呼びかけて寄付を募り昭和十年に建立したもので、境内の玉垣や燈篭、鳥居などに寄付した浪曲人の名前が刻まれたいわば浪曲神社。
 大和之丞亡き後は、門人の吉田朝日、さらに朝日の未亡人鶴子さんが世話をして毎年十二月十四日の大祭に神社横の集会所で奉納浪曲会が開かれているが、今年は討入り三百年とあって、にぎわいもひとしお。
 社殿での神事の後、吉田奈良丸と長谷川公子が浪曲を奉納した。

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