上方浪曲ニュース最新号
2002.7
文楽劇場で演芸特選会
落語漫才と競演の五日間

 浪曲親友協会と落語協会、演芸協会、芸能親和会が、出演者を提供して、演芸特選会が、国立文楽劇場小ホールで七月三日から五日間開催され、浪曲から京山福太郎が出演した。
 この寄席は、関西の演芸四団体が国立演芸場の設置を求める運動を展開する中で、実現までの経過措置として国立文楽劇場の主催で小ホールを使って定期的に開催することになったもので、今回は第一回目。
 落語から露の五郎、漫才がたかし・ひろし、照夫・光夫、曲芸のすずめ、後ろ面の小松まこととともに、福太郎が出演した。初日は開演前に、四団体の会長らが参加して鏡開きのセレモニーを行い、真山一郎会長が、「こういう機会を通じて、口演の場所を増やし、技芸の向上と新人の育成を図ってゆきたい」とあいさつした。
 福太郎は五日間にわたって「甚五郎」「小政」など演芸場向きのお笑いネタを熱演し、場内を盛り上げていた。
 なお、この演芸会は、今年度九月、十一月、三月に、各三日から五日間開催されることになっている。九月は四日から七日まで京山宗若と春野ココが出演する。

三原佐知子後援会の集い
浪曲に歌に大ハッスル


 

七月七日午後一時から大阪千日前のミュンヘンで三原佐知子大阪後援会の集いが開かれ、大宴会場満員の会員百五十人が参加した。今年は「あの感激をもう一度」と題して、ちょうど昨年の会が豪州公演の壮行会となったことから、今回はその報告会として、芦川淳平が成果を報告、三原は中川加奈女の三味線で「異国の母」を熱演した。
 宴会に入って、応援に駆けつけた真山広若、松浦四郎若が歌を歌い、三原も持ち歌を熱唱、河内音頭も歌うなど大ハッスルでサービスに努めていた。
 今年は十月十二日にワッハ上方ホールで新作発表を含めた三席読みの独演会「三原佐知子浪曲の世界」を開催することになっており、この日後援会に真っ先に報告し、支援を呼びかけていた。

一心寺寄席今回もまずまず
真山座長「真木肇作品」特集

 一心寺寄席の七月公演は八,九,十の三日間にわたって開催された。台風接近で天気が不安定な中、三日間とも四,五十人の熱心なファンが駆けつけた。
 この期待にこたえるように、座長の真山一郎は、日ごろ聞く機会の少ない真木肇の作品「片割れ月」「三つ巴親子旅」「浅茅が宿」を三日間にわたって通して語った。
 また、春野ココも大西信行作の新作「かぐや姫」を披露し、京山小円嬢も檜垣十九三作「愛情乗り合い船」や小島美士五郎作「秀吉報恩旅行」などの名作を掘り返し、意欲を示した。五代目奈良丸も「忠治」や「義士伝」などお家芸を聞かせた。
 

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