上方浪曲ニュース最新号
2002.6
親友協会総会で役員改選
新理事に満月・幸枝丸


 社団法人浪曲親友協会は、五月二十三日、大阪市西成区動物園前の大よしで総会を開いた。議題は十三年度の決算、事業報告などを承認したあと、任期満了に伴う役員の改選を行い、選挙の結果、前役員の全員を再任し、欠員の理事二名に天光軒満月、京山幸枝丸を賛成多数で選任した。
 引き続き開かれた理事会で、真山一郎会長の三期目の就任が決まり、副会長の日吉川秋水、京山福太郎、常務理事の京山小円嬢、春野百合子、松浦四郎若も留任することになった。

春野百合子ディナーショー
東西「夫婦」気質描き分ける


 春野百合子は五月二十五日、心斎橋の中村美律子の店「人生乾杯」で三月に続いて二度目のディナーショーを開いた。約七十席の同店は今回も満席の盛況。今回は中村美律子が不在のため文字通り百合子の独演会。
 「両国夫婦花火」と「夫婦善哉」の二席を語り、夫婦をテーマに江戸と上方の気質の違いを見事に演じ分けて、観客総立ちの喝采を受けた。百合子は「前回、中村の協力で会を成功させてもらい増したが、今回は私だけの会ということでこのお店のお客さんに喜んでいただけるかどうか不安でしたが、おかげさまでお気に召していただけたようで何よりうれしいことです。なかなか二席読みはネタの関係もあり辛いのですが、また機会があれば開いていただきたいと思います」と語っていた。
 同店では、秋にも第三回を開催したいとしている。

一心寺新劇場「倶楽」こけら落し
幹部総出演で連日大入りの盛況

 一心寺門前浪曲寄席は第九十六回を迎えた六月公演から、新築の一心寺シアター「倶楽」で十日から三日間開催された。新劇場のこけら落としとあって、今月は幹部総出演の日替わり特別編成。連日真山会長が口上を切り今後の支援を訴えた。
 まっさらの劇場とあってファンの期待も高く、初日は満席近い百九十人の観客で場内はすし詰め状態。三日間で四百人突破の記録を達成した。
 新劇場は若者向けの演劇ホールを意識した設計で、階段状の客席には靴を脱いで入り、座布団に腰掛ける仕組み。また会場が地下一階のため長い階段を下りてゆかねばならず、高齢者の多い浪曲ファンには問題も多いが、とにもかくにも、新装第一回は成功を収めることが出来た。
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