上方浪曲ニュース最新号
2002.4
 好天に恵まれた桜祭り
 落花紛々の風情楽しむ


 親友協会恒例のさくらまつりが、四月五日、築港高野山寺で開かれた。
 今年は桜の開花が早く、ほとんどのところで三月中に花見シーズンは終わっていたが、ここ高野山寺では、浪曲協会の花見を待っていたかのように丁度満開、ときおり吹き来る春風に花びらが雪のように舞い散る姿は、風情満点だった。
 好天に恵まれ、参加者も例年を上回るにぎやかさだった。正午、高野山寺の住職の読経で境内の浪曲塔に参加者一同香を手向け、桜の巨木に囲まれた境内広場に思い思いに陣取って酒宴を開始、唄や踊りに酔いも手伝っての大賑わいで、和気あいあいの一日をすごした。

 春野美恵子新作発表
 地元熊取で親子会

 春野百合子一門の春野美恵子が、四月七日、地元の熊取町公民館で新作発表の親子会を開催した。昨年に続いて二度目で、今年は初めてのオリジナル新作、大西信行作「右衛門七の妹」を披露した。
 この作品は、声節が売り物の美恵子を見込んで、大西氏が節の部分を極端に多用して構成したもので、美恵子は自慢の声っ節で気持ちよく演じていた。もっとも節の多い作品だけに、ドラマの展開や緩急のメリハリに多彩な節による表現力が要求される作品だけに、今後十分に応援を重ねて練り上げる必要がある。美恵子の長所をより伸ばそうとする作者の期待に応えて一層努力して欲しいものだ。
 師匠の百合子は、お得意の「樽屋おせん」を語り貫禄を見せつけつつ、楽屋で「私は今でこそこの作品を十八番にしているけど、最初はゆく先々でツケたのよ。自分の物にするためには、とにかく何度も失敗を恐れずに舞台にかけてねってゆかないとあかんよ」と指導していた。
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