上方浪曲ニュース最新号
2002.2
不況風吹き飛ばせ
高野山寺で豆まき

 二月三日、境内に浪曲塔がある築港高野山寺で恒例の節分会が行われ、親友協会の会員らが豆まきに参加した。
 午後四時から同寺住持、山伏らが護摩を焚き、家内安全厄よけを祈願、檀家総代の間口組の社員らが鬼退治の寸劇を演じたあと、檀家衆に混じって浪曲人が境内に集まった善男善女に不況風を退散させようと勢いよく豆をまいた。
 この日は日曜日とあって、境内はあふれんばかりの人出、人々は福をもらおうと我先に豆を拾っていた。
 参加した浪曲人は、日吉川秋水、京山小円嬢、京山幸枝栄、三原佐知子、筑波武蔵、泉和子、松浦四郎若、京山倖若、京山福太郎、京山宗若、中田萬夫、松浦博、芦川淳平。

おはよう浪曲公開録音

 二月二日ワッハ上方で、朝日放送ラジオ「おはよう浪曲」の公開録音が行われ、真山広若、幸いってんが出演した。今回は同局の落語番組との共同公録。
 同番組は現在週に一回、日曜日朝の放送で、これまでのように公開録音がたびたび行われることがなくなく、浪曲人の出演回数も減っているだけに貴重な出演の機会。広若は「番場の忠太郎」、いってんは「千人坊主」を熱演した。

故一若夫人の店閉店
浪曲人が名残りの宴


 故吉田一若夫人・松本君代さんが三十一年前に開いた大阪ミナミにあるスナック「スワン」が、建物の老朽化などの事情でこのほど閉店することになり、二月二十日浪曲関係者がこぞって訪ねお別れの呑み会を開いた。
 お別れ会には、春野百合子、京山小円嬢、筑波武蔵、松浦四郎若、京山倖若、京山福太郎、泉和子ほか一若師に縁のあった浪曲人がこぞって訪れ、狭い店内は満員状態、思い出を語り合って名残を惜しんだ。
 スワンは一若師存命中から浪曲をはじめ多くの芸人が出入りし、芸談に花を咲かせた。一若さん亡き後も、安くて気のおけない雰囲気から浪曲人もよく通っていたささやかなサロンだった。今日ではミナミの歓楽街を呑み歩く浪曲人も少なくなっているが、又一つ浪花節ゆかりのスポットが消えたようでまことに寂しいことだ。
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