上方浪曲ニュース最新号
2002.1
「太閤記」で新春幕開き
泉佐野市の浪曲名人会

 今年の浪曲公演は、一月六日大阪府泉佐野市泉の森ホールで開催された「新春浪曲名人会〜太閤記花の乱」で開幕した。
 この催しは毎年同ホールが開催している浪曲大会の企画として、昨年の「忠臣蔵」大会に続いて行われたもの。テーマが忠義の仇討ちとそこに至るまでの一年十カ月の苦難の人間ドラマの一点に統一されている義士伝と違って、太閤記は秀吉の生涯とその後を含めた約七十年間の長期にわたる様々なエピソードを集めたもので、作品のテーマも千差万別、話の連続性を保つのも難しい。このため今回は、五人の出演者が持つ太閤記ネタを年代順に綴り、口演の間に芦川淳平が時代の空白を埋める語りを付けて全体の統一を守る構成となった。
 口演は、京山倖若「長短槍試合」、松浦四郎若「金龍縄張絵図面問答」、真山一郎「落城の舞」、京山福太郎「後藤又兵衛大阪入城」、春野百合子「落城の淀君」。トリの百合子が琴を伴奏に加えて新春気分を盛り上げてお開きとなった。

約束通り香芝で浪曲公演
真山広若後援会新春大会

 昨年十月後援会発足公演を行った真山広若香芝後援会が、「これから年に何回か浪曲公演を開催したい」と公約したとおり、一月八日「新春浪曲・演歌大会」を奈良県香芝市二上文化センターで開催した。
 出演は、広若に加えて三原佐知子と京山福太郎。今もっとも充実している三人会に場内は熱気に包まれていた。浪曲は福太郎が「甚五郎竹の水仙」、三原が「母恋あいや節」、広若が「刃傷松の廊下」と十八番を披露し、地元の舞踊家の踊りのあと三人の歌謡ショーでたっぷりサービスした。
 近く歌謡曲の吹き込みも決まったという広若はショッキングピンクのスーツを着込んで大いにハッスルしていた。
 尚同後援会は、一月六日和歌山県貴志川町でも浪曲と演芸の会を開催した。
 浪曲公演場所を開拓する事が急務だけに広若後援会の積極的な活動が注目される。

幸先よし初日満員
一心寺寄席初公演

 一心寺門前浪曲寄席の今年の初公演は一月十四日から三日間開催された。出演は日吉川秋水、京山小円嬢、長谷川公子、吉田奈良丸(十五、十六日)、京山福太郎(十四日のみ)。秋水は「薮井」、小円嬢は「稲荷丸」の連続読み。初日は祭日も重なって、場内は椅子がなくなるほどの大入りとなった。六月からの新劇場オープンに伴い移転先での公演継続もほぼ決まったとあって、幸先良い新春となった。
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