2000年度に府内で公演された舞台芸術のうち府民文化の向上に著しく貢献し今後さらに高い成果が期待されるものに贈られる「大阪舞台芸術奨励賞」を三原佐知子が受賞し、三月二十七日府知事公館で授賞式が行われた。
三原佐知子は昨年四月の一心寺寄席での熱演が評価され、今後益々芸の上達が期待されるとして奨励賞を贈られた。授賞式に臨んだ佐知子は、副知事から賞状と金一封を贈られ、緊張の面持ちで受賞していた。
大阪舞台芸術賞は、昭和二十七年大阪府民劇場賞として創設された由緒ある芸術賞。歌舞伎、文楽、能、狂言から演劇、舞踊、オペラ、クラシック、落語などあらゆるジャンルの大阪を代表する芸術家が受賞しており、浪曲界からは、昭和三十八年冨士月子が府民劇場賞を受賞して以来、四十五年京山幸枝若が奨励賞、平成四年春野百合子が劇場賞、平成十年広澤駒蔵が奨励賞を受賞しているのみで、三原は史上五人目。
三原佐知子は、「尊敬する大先輩方が受賞された名誉ある賞を贈られて、大変感激しています。なかでも冨士月子先生は、『三味線やくざ』や『は組小町』など先生の作品を、月の栄師匠を通じていただき、いま私がやらせていただいているだけに、先生の御導きではないかと感謝しています。まだまだ未熟で、先に受賞された先生方に遠く及ばない私ですが、これから勉強を怠らず、先輩方の名を汚さないように、浪曲の名誉のためにも精進して参ります」と喜びを語っていた。