上方浪曲ニュース最新号
2001.2
 ワッハ上方で「春野百合子の世界」
 百合子の芸と人を多角的に聴かせる


 一月二十日、ワッハ上方演芸ホールで「春野百合子の世界」が開催された。
 この催しは、大阪府立上方演芸資料館の自主公演で、同館参与の元NHKプロデューサー棚橋昭夫さんの企画によるもの。春野百合子の芸と人をさまざまな面から捉えようとプログラムされた。
 第一部は、春野さんの生い立ちを中心に浪曲のあゆみを、貴重なスライドの上映やレコードを聴きながらたどった。続いて、春野百合子と曲師大林静子による浪曲の節づくりの実際を舞台上で再現、地節、キザミ、憂い節、セメ、早節など情景にあわせた節使いを実演して聴かせた。次に、ココ、冨美代、美恵子の三人の弟子が、師匠の人となりを語り、第二部はお待ちかねの浪曲口演、小泉玲紫の琴も加えて「梶川大力の粗忽」をいつもはカットする部分も含めて長講に語った。
 さらに、かしまし娘の正司歌江さんをゲストに迎え、思い出話を交えながら棚橋さんと共に鼎談した。
 場内は満席の盛況で、浪曲は一席だけだったが、いつもは見られない百合子のさまざまな一面に、観客も堪能していたようだった。

鳴戸部屋誘致に沸く築港高野山で
協会幹部総出で節分豆まき

 二月三日、築港高野山寺で恒例の節分会が開かれた。
 この催しには毎年親友協会幹部が総出で豆まきに参加しており、今年も、真山会長、秋水副会長はじめ、小円嬢、武蔵、佐知子、四郎若、幸若、福太郎、和子、宗若、広若らが、この日護摩をたいて祈祷された福豆をまいた。境内は老若入り乱れた善男善女ですしづめ状態で、我先にと福を奪いあっていた。
 高野山寺では、檀家総代の間口組社長の肝煎りでこの春から大相撲鳴戸部屋が寄宿することになっており、宿舎となる壇信徒会館も竣工、境内の一角には土俵の建設も進められており、浪曲塔と共に築港の名物がまた増え、地域住民に親しまれている。


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