2000.11 | |||||||||||||||
天中軒月子、新作「関が原」熱演
|
|||||||||||||||
幸いってんが毎月勉強会 期待の新人曲師も初登場 関西唯一の二十代の浪曲師として将来を嘱望されている幸いってんが、毎月一回勉強会を開催することになり、十月二十九日、第一回目が大阪市港区夕凪の洋風居酒屋べらみで開かれた。新人にとって勉強の場が少ないことは悩みの種だが、ことに関西では、一心寺寄席以外はほとんど興行や営業の舞台で、芸を磨く場が極端に少ない。自分の勉強の場は自分で作るしかないんだと、師匠の京山福太郎にも強く勧められ、支援者の店を毎月第四日曜の午後提供してもらって始めることになった。 第一回目となったこの日は、店一杯の二十人ほどの観客を前に、いってんは「雷電の初土俵」を口演。三味線も藤信初子の弟子でこの日が事実上の初お目見えとなった岩城範子がつとめ、フレッシュなコンビに期待が集まった。 岩城は、浪曲が好きで福太郎の後援会にも入っていたが、三味線をやってみたいと二年前に藤信の門を叩いた。それまで三味線を触ったこともなく初歩からの手ほどきだったが、根が浪曲好きで、色々な節を弾いてみたいと自習を怠らず、成長著しいものがあった。この日も音色も撥さばきも初めてとは思えない堂々たるもので、三十代半ばという若さもあって今後ますます期待される存在になりそうだ。 ゲストとして花を添えた師匠福太郎は「ネタの勉強もさることながら、世に出るためには、トークや歌も歌えなければならない時代。この場を純粋に勉強会として、自分を磨いて欲しい」と語っていた。次回は十一月二十六日午後2時より。 |
|||||||||||||||