<S−VHS>

  東芝 A-SB7   定価オープン(96’秋発売、交際期間:97’7〜97'8)

   東芝得意の3次元Y/C分離を積んだビデオ。

A-SB7

○主なスペック

  1. 3次元Y/C分離(2M)
  2. ダイナミック動き検出
  3. 3次元DNR
  4. プリアンプ内蔵シリンダー

― 画質 ☆☆ ―

現在も付き合っている彼女、PANASONIC NV-SB800Wを買ったのが97’4月。
当初、それがS-VHSの限界だとは知らず「原画再生じゃないぞ」と思ったり、
標準モードの極太輪郭に我慢ならなくなったりして、「他のデッキはどうなのか??」と
気になり始めていた。そこで目をつけたのが本機だった。
東芝と言えば、初めてビデオデッキに3次元Y/C分離を搭載したメーカーで、
「3次元の東芝」というキャッチフレーズがあったほどだった。
本機は、3次元Y/C分離に「ダイナミック動き検出」という技術を導入した画期的な製品だった。
3次元Y/C分離は、画像が静止しているか否かを判断し、処理を切換えている。
その判断がなかなか難しく、Y/C分離の精度と、動きボケの解消とを両立させるのが難しかった。
本機に搭載された「ダイナミック動き検出」は、画像の内容を分析し、
画像の静動切換のポイントをダイナミックに変化させることで、その両立を図るというものであった。
また、「プリアンプ内蔵シリンダー」というのも画期的であった。
従来、テープから信号を読み取るシリンダーと、その信号を増幅するプリアンプは離れて設置されていた。
従って、信号が伝送される間に外来ノイズが混入し、汚されてしまう。
よって、プリアンプをシリンダーに内蔵すれば、信号をピュアなまま伝送できる、というもの。

さてその画質。上で述べたように、技術的スペックは派手だが、実際の画像は期待外れだった。
画像のコントラストが低く、パワーがない。色がくすんでいる。特に赤の純度が低い。
ダイナミック動き検出の恩恵も感じない。画像がノイズっぽく、プリアンプ内蔵シリンダーって無意味?
NV-SB800Wに勝る点はなかった。本機を知ったことで、
私はSB800Wの偉大さを思い知らされることとなったのである。

― 音質 ☆☆☆ ―

まあビデオとしては普通の出来、通常ならば問題ないでしょう。
しかし、音質にこだわったSB800Wの前では、差が分かってしまう・・・。
音のパワーが違う。しっかりした低域に支えられたSB800Wと比べると、やはり弱い。
ここでもSB800Wの偉大さを実感したのであった。

― 操作性 ☆☆☆ ―

リモコン等はまずまずだったかな。
動作音がうるさかったのを覚えている。

― デザイン ☆☆☆ ―

前面ドアつき、シャンパンゴールドのSB800Wと比較するのが酷か。

― 総評 ☆☆ ―

結果的に、SB800Wの引き立て役になった。しかし、おかげでSB800Wがビデオデッキの中で
どれほどの位置にいるのかが理解できたのは大きい。

― 別れた原因 ―

SB800Wに勝る点はなく、ビデオデッキは2台要らないので、中古に売却。



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