ヤマハ YST−FSW100  定価\21,000 (2005年9月発売、使用期間05年9月〜07年5月)


FD-Bassテクノロジーにより薄型化を果たした新時代サブウーハー

YST-FSW100




    主な特徴

 ・背後の壁を利用して前方180度に低音を放射するFD-Bassテクノロジー
 ・コンパクトながらスピード感のある低音再生を実現するA−YSTU方式
 ・16cmコーン×1,アンプ出力75W、再生周波数帯域:30Hz〜150Hz
 



    音 質   ★★★★

 それまで使っていた「YST−SW80」と比べると、使用ユニットが
 20cm→16cmと小さくなり、本体サイズも小さくなり、価格も安く、と
 クオリティが落ちる懸念が少なからずあったわけだが、
 そんな心配を吹き飛ばしてくれた。
 
 低音の量感が不足することもなく、重心が上がることもない。
 「マスター・アンド・コマンダー」の砲撃シーンでは、
 砲撃の衝撃音を十分に再現し、「デイ・アフター・トゥモロウ」の
 大津波のスケール感も十分な迫力を持って再現してくれた。
 本当の「ゴリッ」とした低音が出るわけではないが、
 ブックシェルフ型のスピーカーと組み合わせる分には
 5.1chの「0.1」分をしっかり再生してくれる。
 
 音楽再生では、ヘビメタでは迫力が倍増。ビートのテンポも結構
 ちゃんと遅れずについてくる。J−POPでも、もともと含まれている低音が
 少ない曲では、ウーハーを併用することでちゃんと再生されるようになる。
 時たま箱鳴りのような「頑張ってる」感が出るのは
 さすがにサイズからくる限界だろう。
 
 本機は背後の壁を利用して低音を放射しているので、背面の壁からの
 距離と、壁の材質などが影響すると思われる。
 我がシアターでは壁からの距離は5cm、壁の材質はコンクリートである。



   デザイン・その他   ★★★

 サブウーハーとしては初の「薄型」なわけだが、やはりスマートだ。
 今までは「デカイ箱」という感じの製品が多かったが、本機は薄いので
 ズズズイと前面に出てくる感じがなく、肩肘張らない佇まい、といったところか。
 チェリーの色合いと、サランネットの感じも良い。
 しかし、下部の黒い部分はプラスチックで強度的に物足りない。
 ここが金属であったならかなり安定するのになぁ。
 それからチェリー風の表面仕上げもシートだと思われ、
 中身が詰まっていない感じもして安っぽい。
 まあこの辺は価格アップとのトレードオフだろう。
 
 入力端子はRCAピン×1とコントロール端子×1、
 操作は電源とボリュームのみ。スピーカー端子や位相切換などはない。
 価格からの制約でシンプルになっているが、実使用上問題ない。



    総 評   ★★★★

 「薄型」という新機軸を導入するにあたって、普通は「音質にどれだけの
 犠牲を払ったのか」という見方をしてしまうし、実際私も心配だったのだが、
 この製品を聴く限り音質が落ちたという感じはあまりなく、
 コンパクトな筐体ながら量・質とも一定水準をクリアした低音を出し、
 「ほほぅ」と感心してしまった。
 この価格で、薄さを追求しながら十分な音質を持った本機は、
 単なる「薄くしました」ではない、侮れない製品である。
 

 Gold Signature 20の導入によって本機は不要となり、ヤフオクで売却。  





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