モニターオーディオ Silver Studio 1  定価\102,900 (2003年発売、使用期間04年4月〜07年7月)


 英国モニターオーディオ渾身のブックシェルフ  

正面

■ スピーカースタンドは若月製作所「ST-300B」



    主な特徴

 1.アルミニウムとマグネシウムの合金にセラミックをコーティングした
   「C−CAM」振動板をウーハー、ツイーター両方に採用
 2.ウーハー:150mm、ツイーター:25mm
 3.リアルウッド突板のローズマホガニー仕上げによる落ち着いた外観



    音 質   ★★★★★

 アンプのBASSつまみを1時くらいの位置にして聴いた。
 スピッツを聴く。
 軽やかで爽やかな曲がそのまま再現される。
 エレキギターの音が、流れるようにキレイに聴こえる。
 バスドラムの音は小口径らしい瞬発力があり、
 量感も十分なレベル。シンバルの音は鮮度があって、広がりも感じられる。
 サラウンドは使っていないのに、響きがきれい。
 ケミストリーを聴く。
 ボーカルがはっきり聴こえる。低音の支えもあって、気持ちよい。
 ジャズを聴く。
 ハイハットの音が鮮度十分。ベースラインも十分な量感で再生できている。
 テクノを聴く。
 低音の「ズン・ズン」というビートがすごい音圧。
 ウーハーを併用しているような錯覚に陥る。
 吹奏楽を聴く。
 管楽器の音色が響きも豊かに再生される。音場感が優れている。
 ただ、さすがに大太鼓の音はキツイ。ウーハーを併用すると
 格段に太鼓の迫力が増す。15cm径では絶対的な低音は望めないのだろう。

 まとめれば、低音の再生能力はかなり高い。
 吹奏楽を除けば、ウーハーの必要性は感じなかった。
 小口径らしい、瞬発力のある締まりのある低音ながら、量感もある。
 音楽を聴いていて大変に気持ちよい。

 2チャンネルでずっと音楽を聴いていたいと思ってしまう。
 中〜高音も鮮度十分、申し分ない。
 
 アンプを「PMA−1500AE」に替えたところ、高域は粒立ちが一層明瞭になり
 鮮度も十分、低域はさらに深い低音まで出るようになりパワー感が増した。
 曲によっては「ブックシェルフの域を超えているのでは?」と思う一瞬がある。



    デザイン   ★★★★★

 写真を見た方も同感だと思うが、ウーハーが大変美しい。
 合金を材質としているので、材質そのものの色だと思うが、
 シルバーの上品な輝き、滑らかにカーブするライン・・・ため息が出る。
 デザインのためではなく、音質を追求した結果生まれた材質だろうが、
 それでいて外観も良いなら最高ではないか。
 シアター時、暗くするとウーハーだけがポッと浮かんでいるように見え、
 これがまたカッコ良くてため息。
 キャビネットも落ち着いた色調で、仕上げも上質。



    総 評   ★★★★★

 ピュアオーディオ用途にも通じる能力を持つブックシェルフとしては、
 最も安価なモデルの1つではないだろうか。

 POPSやROCKのみならず、ジャズ・インストゥルメンタル、吹奏楽まで
 こなすには、幅広いダイナミックレンジに対応できなくてはならない。
 シアターを主眼に置かれた近年の安価なスピーカーは、低音はウーハーに
 任せると割り切っているのか、音楽に対応するだけのレンジがないものが多い。
 しかし本機は、吹奏楽の大太鼓はさすがに無理だったが、それを除けば
 どの音楽においても十分な低音再生能力と鮮度十分の高音で、
 なんら不満なく音楽を楽しませてくれた。

 外観も上品で美しい。
 ペアで10万円だが、納得のコストパフォーマンスだ。ブラボー!
 

 Gold Signature 20導入後、後輩のY田くんにスタンドともに安く譲った。
 3年間の付き合いだったが、たくさん愛した。かわいがってくれよ、Y田くん。




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